老舗政党存亡の危機救うか…ラサール石井氏が社民から参院選出馬 SNS発信による影響も告白

参院選比例代表での出馬を表明し記者会見に臨むラサール石井氏(撮影・小沢裕)

タレントのラサール石井氏(69)は30日、国会内で会見し、参院選(7月3日公示、20日投開票)比例代表に社民党から立候補すると表明した。「年齢的にも最後のチャンス。黙って見ているのはやめて、政治について発言することを1つの仕事としてやっていこうと決めた」と述べた。自民党と並ぶ老舗政党の同党は、参院選の結果次第で、公選法上の政党要件を失う存亡の危機にある。会見に同席した福島瑞穂党首は「ラサールさんとのタッグで、多くの支持を得たい」と訴えた

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石井氏はスーツにネクタイ姿で会見場に現れた。「今日は笑いはあえて封印している。笑いを取ろうとしたら失言が起きる」。終始、候補者モードで受け答えした。

出演していた舞台「熱海五郎一座」が6月27日に千秋楽を迎えたことで、正式発表にこぎつけた。周囲に相談はしなかったが、共演者でもある俳優伊東四朗や三宅裕司などには、党の正式発表直前に出馬を内々に報告したという。

これまでは「エンタメの世界で政治にコミットしようと思い、選挙に出るつもりはなかった」という。ただ、自身の政治的なSNS発信を機に、テレビ出演など活動の一部が制限されたと主張し「(政権を)擁護する人はテレビに出ている。批判する人は、口を閉じていろというサインだと思った」。そうした環境の中で「おとなしくしていようと思ったこともあったが、黙って見ているのはやめようと。政治について発言することを1つの仕事としてやっていこうと決めた」と、決断したと述べた。

社民党が「いちばんに声をかけてくれた」とし「年齢的にも最後のチャンスかなと思った」。また「妻が『あなたの違うところを見てみたい』と背中を押してくれたことが、何より大きかった」と、妻の後押しもあったと明かした。

当選すれば議員活動を優先する。かつてタレントから参院議員や東京都知事も務めた青島幸男さんに触れ「どこか目標にしているところはある」と語った。

社民党は参院選で3人以上の当選か、全国で得票率2%を達成できないと公選法上の政党要件を失う崖っぷちの状況にある。福島氏は「決意してくれて本当にうれしい。必勝に向けて、全力で頑張りたい」。7月3日の公示第一声も、石井氏らと行う予定だ。石井氏は、老舗政党の存亡の命運も背負いながら、初めての選挙戦に挑むことになる。【中山知子】

◆ラサール石井(本名・石井章雄=いしい・あきお) 1955年(昭30)10月19日、大阪生まれ。ラ・サール高校卒。早大第1文学部除籍。早大在学中に渡辺正行、小宮孝泰とコント赤信号を結成。俳優、脚本家、舞台演出などでも活躍。96年から放送されたテレビアニメ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」では主人公・両津勘吉の声を担当した。X(旧ツイッター)、新聞などで政権批判もしている。