JR五能線を旅してきた。
秋田・東能代駅から青森・川部駅までの日本海沿岸147・2キロを結ぶ。来年で全通90年を迎える。そこを含めて走る秋田駅始発の観光列車「リゾートしらかみ」に乗車。青森県内の沿線にある、知る人ぞ知る「映え」スポットを訪ねてみた。
まずは十二湖(深浦町)。世界自然遺産、白神山地のふもとにある。ガイドの板谷正勝さんによると、「本当は33湖あるのだが、大崩(標高694メートル)のテッペンから見ると森の中に隠れて大きな池が12個見えるため、十二湖と名付けられた」という。最大のスポットは深さ9メートルの青池。コバルトブルーの湖面が美しい。猛暑の中でも、ブナ自然林を吹き抜ける風は涼しい。
高山稲荷神社(つがる市)の幾重にも重なる朱色の鳥居がSNSでバズった。高さ2メートルで、202本並んでいる。まるで龍がうごめいている生命力を感じさせるパワースポットでもある。
考古学ファンや撮り鉄向きなのは、木造駅(つがる市=旧木造町)だろう。外壁にある土偶が遠くからでもよく目立つ。地元では「シャコちゃん」と呼ばれる。亀ケ岡遺跡から発掘された遮光式土器をモチーフとしている。1992年(平4)、約2億円かけて当時の木造町が作った。設置当初、列車の接近を知らせるために目を赤く点滅させていたが、「怖い」などの理由で自粛。今は要望に応じて点滅させるという。インパクト抜群、迫力満点の駅舎だ。
鶴の舞橋(鶴田町)は、サユリストの心を揺さぶる。2016年(平28)、吉永小百合がJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMを撮影した。津軽富士こと岩木山をバックに橋に立った。多くの人がこれにあやかろうと訪れる。この橋は全長300メートルの木造三連太鼓橋。「長い木の橋」「長生きの橋」として、この橋を渡ると長生きできるとの言い伝えもある。