【五能線の旅】旅の終わり弘前 「津軽ねぷた村」でまるごと津軽を体感

津軽がまるごと体感できる「津軽ねぷた村」

JR五能線を旅してきた。

秋田・東能代駅から青森・川部駅までの日本海沿岸147・2キロを結ぶ。来年で全通90年を迎える。そこを含めて走る秋田駅始発の観光列車「リゾートしらかみ」に乗って青森方面に向かった旅の終わりは、弘前。「津軽藩ねぷた村」で、まるごと津軽を感じてきた。

建物に入ると、ねぷたの太鼓をたたく音が響き渡る。敷地内の「弘前ねぷた館」。スタッフが笛と太鼓のおはやしを実演し、太鼓は体験もできる。

ところで、青森は「ねぶた」だが、弘前は「ねぷた」。青森県内の方言で「眠い」のことを、青森市などの沿岸部では「ねぶてぇ」、弘前市などの内陸では「ねぷてぇ」と発する。これがなまったのではないかという説がある。

祭りの始まりは、農民が夏の忙しい時季に襲う眠気を追い払うため、睡魔を船や灯籠などに乗せて川に流した「ねむり流し」という行事から発展したという説がある。県内では40もの市町村で行われている。地図を示されたが、開催場所は旧津軽藩の領地だけ。旧南部藩(盛岡藩)の領地だった八戸などに、この風習はないという。

また、青森は「ラッセラー」と威勢のいいかけ声で跳人(はねと)が飛び跳ねるが、弘前は「ヤーヤドー」のかけ声で練り歩く。「津軽藩が管理していた港町の青森のねぶたは、もともと港祭りでもあり、にぎやかです。弘前は殿様(津軽公)の御前を通るため、飛んだり跳ねたりはご法度。無礼討ちされても文句は言えませんから、おとなしいのです」と、ねぷた村のスタッフが解説してくれた。

この村には、旧津軽藩の米蔵を利用した製作工房、物販スペースがある。津軽三味線の生演奏も聞ける。津軽の夏祭りだけでなく、歴史や文化まで体感できる。

弘前ねぷたと青森ねぶたは7日まで。秋田竿燈(かんとう)まつりは6日まで。このほか、盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつりなど、東北は夏祭り一色の時期となる。