乙武洋匡氏「教育現場が治外法権になりすぎ」 広陵「叩き」だけで終わってはいけないと問題提起

乙武洋匡氏(2024年4月撮影)

作家の乙武洋匡氏(49)が12日までに、X(旧ツイッター)と音声プラットフォーム「Voicy」を更新。

第107回全国高校野球選手権大会に出場した広陵(広島)が、野球部内の暴力事案やネット上での批判や誹謗中傷などを重く見て、異例の初戦突破後の出場辞退を10日に決断したことをめぐり、Voicyで思いを語り「広陵高校叩きだけで終わってしまっては、ネット社会のコンテンツとして消費されるだけで終わってしまう」と危惧し「教育現場が治外法権になりすぎ」と指摘し、すべての教育現場に「点検」を呼びかけた。

乙武氏は11日に公開したVoicyで、広陵の辞退をめぐり、1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」に言及。権利条約の中では、子どもの意見の尊重(子どもが子どもに関わる事柄について意見を表し、それがおとなに考慮されること)を重視している。

乙武氏は「そもそも今回の暴行事件の発端って、『カップラーメンを食べてはいけない』というルールがあったのに、1年生が食べてしまったというところが発端なわけですけれども、これも、『なんで?』って話じゃないですか」と指摘。このルールについて「野球部の子たちが、毎年、新しい寮生活が始まる前に、ちゃんと話し合いをして、このルールって、正当な理由あるんですかね、引き続き守っていく理由ってあるんですかねというのを、暴力とかの圧力、先輩たちからの脅し、先生からのお前レギュラー外すぞみたいな、圧力のない状態でフラットにルールを話し合う状態にあるのか」と問いかけ「これもおそらく、ないですよね」と指摘した。

乙武氏は、広陵が辞退する前にも、広陵の問題に言及し「生徒のことをどれぐらい本気で考えていたんだというのが本質」と語っていた。乙武氏は「私にというよりはね、ネット上で広陵高校を批判する人々に対して、まあやっぱり高校野球経験者、の方を中心に、『口を出すな』と『高校野球には高校野球の文化があるんだ』みたいな反論も、ちらほら、ネット上で見て取れる」とした上で声を大にして反論した。

乙武氏は「そもそも日本のルール守ってくださいっていうことなんですよ。何が『高校野球の文化』か知りませんけれども、殴る蹴るというのは法律違反なんですよ」と指摘。こういった問題を教育現場が抱える問題の1つとしてとらえてさらに語った。

教育現場では、過ちを犯した生徒をただちに厳罰に処すのではなく「教育上の配慮」などから、学校外では法律違反、犯罪行為と受け止められる事案も場合によっては穏便に対応するケースもある。乙武氏は「高校野球から、少し、教育現場というところに話を広げたいと思うんですけれども、やっぱりね、教育現場が治外法権になりすぎ。だと思うんです」と語った。

乙武氏は「いじめ」を例に取り「『いじめ』なんていう言葉も例えば恐喝罪であったり、暴行罪であったり、法に触れている行為がそこにぎっしり詰め込まれているわけですよ。それをいじめなんてマイルドな言葉で、学校生活あればありがちだよねなんて見過ごされていること事態がおかしい。体罰も一緒」とバッサリ。その上で「教育現場だから許されるとか、部活動の中だから許されるとか、指導の一環だから許されるなんていうことしてるから、今回の広陵高校のようなことが起こってしまう、なくならない。このあたりは今一度、洗い出していかないといけないと思う」と問題提起した。

乙武氏は「広陵高校を批判することで終わらせてはいけないんですよ。いわゆる『体育会』なんていう、都合のいい言葉でごまかされた法律違反がまん延している状況というのをここで断ち切るんだという強い意志。これをやっぱり持つことが大事だと私は思っています」と意見表明。各学校の指導者に、他山の石として「つまり、自分の学校は大丈夫なのかな、多分、大丈夫じゃないですよ。おかしな事いっぱいあるはずです。それを、良い機会だと思って、点検してほしい」と呼びかけ「法律に照らして、今やっていることって大丈夫なのか。そもそも、子どもたちに強いているルールは、子どもたち参加の下で決めたルールなのか」と点検を呼びかけた。