自民党副総裁など要職を歴任し、石破茂首相の「指南役」として知られる山崎拓氏(88)は、21日に放送されたBS-TBS「報道1930」(月~金曜午後7時30分)にVTR出演。昨年の衆院選、今年の東京都議選、参院選と選挙に敗北を続けながらも続投を明言している石破首相の「本当の思惑」を指摘した。
山崎氏は昨年5月、「ポスト岸田」の有力候補だった就任前の石破首相を、小泉純一郎元首相らとの会食に招くなど交流を続け、石破政権発足時からさまざまなアドバイスを送っているとされる。
現在、「石破おろし」のさなかにある石破首相について問われた山崎氏は、番組のインタビューに「私はそんなに心配していません」と述べた。「心配している人が多いですけれど。あと、(自分とは)反対の立場で引きずりおろそうという人たちはむしろ暗躍すると思いますけれど、大きなかたまりになって力になっているわけではない」と指摘し、「石破おろし」の動きは必ずしも強いものではないとの認識を示した。
自身が政治家になった昭和の時代は、自民党には権力者が数多く存在したことを念頭に「私は『三角大福中』の時代に出てきた政治家。(三角大福中)は5大派閥ですけど5つの城があるのと同じだった。でも今はどこにも城はないんですよ」と、後に全員が首相になった三木武夫氏、田中角栄氏、大平正芳氏、福田赳夫氏、中曽根康弘氏が権力をふるった時代と、派閥がほぼ解消された現在との違いに言及。山崎氏はその上で「たぶん、あと2年やって、その時にだれにバトンタッチするか考えると思います」と述べ、石破首相は3年の任期いっぱい務めたい思いがあると、驚きの証言をした。
「秋以降に政局を安定させるには連立が必要。特に申し上げませんが、だいたいだれでも分かっていると思います」と思わせぶりに語り、「(石破首相に)アドバイスをすることはありますか」の質問には「あります」と述べた。アドバイスをした際の首相の反応については直接答えず「その問題(石破おろし)については、森山幹事長に委ねていると思います」と語り、石破政権存続のキーマンとされる森山裕幹事長の存在に触れた。
その上で、石破首相が「いちばんやりたいこと」を問われた山崎氏は「『2027年問題』だと思う。台湾有事の可能性がいちばん高まるのが、2027年と言われている」と指摘。「そういう事態になれば日本は巻き添えを食う。日本の平和と安全が損なわれるということになるから。何としても(台湾有事を)阻止したいのが、本当の(続投の)思惑ですから」と述べ、安全保障の論客として知られる首相の胸の内を推測した。
一方、山崎氏の指摘に対し、ゲスト出演したジャーナリスト後藤健次氏は「なかなか厳しいのではないか。石破さんの意欲がそこまであるかどうか、まだそこははっきりしない」と、懐疑的な見方を示した。その上で「連立をきちんと組んで政権の体制ができないと、今年いっぱいですら(政権維持は)危うい状況。そこまでの構図ができるかどうか。石破さん自身も、今年の(秋の)臨時国会くらいまでは考えているかも分からないが、その先の戦略や戦術には、そこまで考えは至っていない」と指摘した。
その上で「その時に、森山さんがどういう立場でいるかも大きいと思う」と述べ、9月はじめにまとまる参院選総括の後、自身の責任について明らかにするとしている森山氏の動向が、石破首相の今後を左右するとの認識を示した。