<第73期王座戦:5番勝負第1局>◇4日◇シンガポール
藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)が同学年の伊藤匠叡王(22)の挑戦を受ける、将棋の第73期王座戦5番勝負第1局が現地時間4日、シンガポール「アマラ・サンクチュアリ・セントーサ」で行われた。午前9時(日本時間同10時)から始まった対局は、午後7時13分、後手の藤井が66手で初の海外対局の伊藤を下し、3連覇に向けて好スタートを切った。第2局は18日、神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われる。
雁木(がんぎ)に構えた藤井が一気に踏み込んだ。7筋、4筋の歩の突き捨てから3筋、8筋と歩を伸ばして攻めかかる。駒の損得よりもスピード重視で伊藤陣を攻略する。終盤、粘る伊藤を振り切った。「非常に激しい展開になって1手1手がとても難しい将棋。終盤戦、こちらの玉も危ない形になってしまったんですけど、最後に1手こちらの攻めが速い形にできました」。寄せの形をしっかり読み切っていた。
自身のタイトル戦最短手数での勝利は、23年5月の名人戦7番勝負第4局の渡辺明名人(当時)戦の69手。対局によって展開も違うが、それを上回る最短手数での白星だった。
一昨年6月の棋聖戦第1局(ベトナム・ダナン)以来2回目の海外対局。2日に現地入りするとマーライオンなどの観光名所を訪れた。「集中して指すことができた。対局以外でも貴重な経験ができたと感じています」。
直近、先月下旬の王位戦7番勝負第4、第5局とタイトル戦で初めて連敗した。伊藤とは昨年6月、叡王を失って8冠から7冠へと後退した5番勝負第5局以来の対戦だった。嫌な流れとデータをしっかり断ち切った。
9、10日には王位戦第6局(静岡県牧之原市)も控えている。もともと、間隔が詰まった方がいいタイプ。海外での白星を足掛かりに、「防衛ロード秋の陣」を突き進む。