英ヘンリー王子、ウクライナ電撃訪問 父の国王と対面から帰国前 負傷兵支援

ヘンリー王子(ロイター)

英王室のチャールズ国王とおよそ1年半ぶりの対面を終えたヘンリー王子(40)が12日、家族の待つ米カリフォルニア州に戻る前に予告なしでウクライナを電撃訪問した。ウクライナ鉄道は、首都キーウの駅のプラットホームで出迎えを受ける王子の動画を公開しており、ポーランドから夜行列車で現地入りしたと伝えられている。

米ピープル誌によると、王子は自身が設立した負傷兵士らのための国際スポーツ大会インビクタス・ゲーム財団のチームとともにキーウを訪問したという。王子にとってロシアの侵攻を受けて以降、ウクライナを訪問するのは2度目で、3年以上続く紛争で傷病を追った軍人を支援することが目的だったと伝えられている。

キーウでは7日朝にミサイル13発と無数のドローン(無人機)による攻撃で中心部にある政府の庁舎に初めて被害が出るなど、ロシア軍による攻撃が激化している。

第一報を報じた英ガーディアン紙によると、王子は「(訪問が)問題ないかどうか、妻(メーガン妃)と英国政府に確認した」と説明し、その後ウクライナ側から正式な招待状が届いたと話しているという。滞在中、ウクライナのユリア・スビリデンコ首相や退役軍人200人と面会する予定だと伝えている。

王子は同紙の取材に、「戦争を止めることはできないが、復興を支援するためにできる限りのことをすることはできる」「今回の訪問が、人々にこの現実を改めて認識させるきっかけになれば幸いです。なぜなら、私たちは起こっていることに対し、容易に無感覚になってしまうから」と述べている。

ヘンリー王子は、自身が支援する慈善団体のイベントに出席するため8日に単身で英国入り。10日にチャールズ国王のロンドンにある邸宅クラレンス・ハウスで55分ほど面会し、お茶を楽しんだことが報じられている。家族との和解への第1歩を踏み出したとされる4日間に渡る滞在の締めくくりが、ウクライナ訪問となった。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)