【総裁選】高市早苗氏、自民党の「ガラスの天井」破る メローニ伊首相の現実路線が念頭?

自民党総裁選は4日、投開票され、高市早苗・前経済安保担当相(64)が、小泉進次郎農相(44)との決選投票を制し、初の自民党女性総裁にのぼりつめた。15日にも召集される臨時国会で、日本初の女性首相が「爆誕」する見通し。3度目の総裁選挑戦で、党員票は他候補を圧倒。「全員に馬車馬のように働いてもらう。私もワークライフバランスという言葉を捨てます」。働き方改革と逆行するような言葉をあえて使い、日本初の立場となることへの強い決意を示した。

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「勝った瞬間、これは大変なことになると。これからが大変だと」。総裁選勝利を決めた後、陣営の勝利報告会に登壇した高市氏は、笑顔と厳しい表情を交互に見せながら、決意表明した。「火中の栗を拾い、みなさんといっしょに戦い続ける。自民党を立て直し、多くの国民のみなさんの信頼と安心を得ていく」。あいさつを終えると、すぐに公明党幹部との面会へ。自民党の「ガラスの天井」を破った高市氏の周囲を多くのSPが警備。初の自民党女性総裁としての、新鮮な景色を体現した。

1回目の投票で、党員票の約4割を獲得。想定より伸び悩んだ進次郎氏に議員票は16票及ばなかったが、決選投票は4票上回った。支援を求めた麻生派会長、麻生太郎最高顧問の支持があったとみられる。強みの党員票は、最後まで進次郎氏を圧倒した。

勝負カラーの青のスーツで勝利宣言した高市氏は「全世代総力結集、全員参加で頑張らなきゃ立て直せません。全員に馬車馬のように働いていただきます」と、全議員がそろった会場を見回り「私自身も、ワークライフバランスという言葉を捨てる。働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」と訴えた。続けてあいさつした石破茂首相が「あそこまで『ワークライフバランスやめた』と言われると大丈夫か、という気が…」と苦言を呈したが、高市氏流の「全員野球」宣言。就任会見では、旧安倍派の「裏金議員」の要職起用を否定しなかった。新たな党人事が最初の関門となる。

後ろ盾だった安倍晋三元首相を失い、党員人気の高さに比べ弱い議員の支持の獲得が課題だった。3度目の挑戦の今回は「最後の戦い」ともいわれた。昨年の敗北後、石破首相に党要職を提示されたが固辞。地方を回り、苦手な飲み会にも参加。「変化」を意識しながら、備え続けた。

幅広い層の支持を意識してか、これまで言及していた首相就任時の靖国神社参拝継続を明言せず、就任会見でも「適時適切に判断する」と述べるにとどめた。一方、告示日の演説で、地元の奈良公園のシカに外国人が危害を加えていると発言。総務相時代には、放送法の政治的公平性をめぐる行政文書の内容を「捏造(ねつぞう)」と指摘し、連日、野党に追及された。自民党関係者は「国会論戦には不安もある」とこぼす。

それでも日本初の女性首相への期待は大きい。党内では、極右政党出身ながら就任後はタカ派的発言を弱めて現実路線を歩むイタリアの女性首相、メローニ氏が、高市氏の念頭にあるのではないかと見る向きもある。【中山知子】

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