維新・吉村洋文代表が明言、合意なら「高市早苗首相」に投票 自民との連立視野に政策協議開始へ

自民党の高市早苗総裁との会談後、取材に応じる日本維新の会の吉村洋文代表(撮影・中山知子)

維新が、自民党との連立政権入りも視野に動きだした。日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は15日、急きょ上京し、国会内で自民党の高市早苗総裁と会談した。連立政権に向けた協力要請を受けた吉村氏は、両党の政策協議の開始で合意し、協議がまとまれば臨時国会(21日召集)の首相指名選挙で高市氏に投票する考えを明言した。維新の自民への「急接近」で、首相指名選挙に向けた与野党の駆け引きは、新たな展開を迎えた。一方、野党統一候補へラブコールを送られている国民民主党の玉木雄一郎代表は立民との距離が縮まらず、自民との連立にも慎重姿勢を崩さなかった。

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高市氏と、15日午後に大阪で民放番組生出演を終えて上京した吉村氏の会談は、国会内で1時間近く行われた。これに先立ち高市氏が会談した立憲民主党の野田佳彦代表、国民の玉木氏との会談と比べ、かなりの時間が割かれた。

会談後取材に応じた吉村氏は、高市氏から連立政権入りの要請があったとした上で、「それに向けた政策協議を始めることを申し合わせた」と明かした。政策協議は16日から始めるとし、高市氏と維新の藤田文武共同代表と両党の政調会長が出席する。維新が求める副首都構想、社会保障政策が2本柱とし、自民と公明の連立政権崩壊の一因となった「政治とカネ」を含めたほかの課題や政策も加える。吉村氏は「協議がまとまるかどうかは分からないが、真摯(しんし)に進めたい」と意欲を示した。

吉村氏はその上で、自民との政策協議がまとまれば首相指名選挙では高市氏の名前を書くことを明言した。「高市さんの強い熱量を感じた」とも述べた。連立政権入りについては「現時点で最終的にまとまったものではない」としながらも、自民との連立に向けた動きとなることは確かだ。ここにきて自民との「急接近」が伝えられ、水面下でも党幹部同士が協議を進めてきた維新は、衆院で35議席の勢力。首相指名選挙で自民に協力すれば、「高市首相」誕生に大きく貢献する可能性があり、高市氏には「大きな助け舟」(野党関係者)になる。

一方で維新は、立民と国民とも野党候補一本化での首相指名選挙に向けた協議を行っている。これとの整合性を問われた吉村氏は、「いずれにしても20日までに結論を出したい」と述べるにとどめ、会見を終えるとそのまま、大阪にとんぼ返りした。

関係者によると、維新の今回の動きを受け、早くも「維新が連立政権に入れば、党の創業者、橋下徹氏の『民間枠入閣』があるのではないか」など、さまざまな臆測も飛び交い始めているという。ただ、自民との政策協議入りはトップダウンの決定。仮に連立を組んだ場合の選挙区調整など、課題は残ったままだ。執行部は16日朝、所属議員への説明を行うが、連立政権入りにつながる首相指名選挙での協力には賛否があるとみられ、党内でも波紋を広げそうだ。【中山知子】