中国総領事発言は「品のないとんでもない発言」立憲・野田代表が批判も国外退去要求論には慎重

高市早苗首相(2025年10月撮影)

立憲民主党の野田佳彦代表は14日の定例会見で、高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁に、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が「汚い首は斬ってやる」などとX(旧ツイッター)に投稿したことに対し「極めて品のない、とんでもない発言で、厳しく抗議しなければならない」と、強い調子で批判した。

一方、薛剣氏を、外交上の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」に指定し国外退去させるよう政府に求める考えがあるか問われると、「党内で検討しているということは承知していない」などと述べるにとどめた。

高市首相の発言は、台湾有事をめぐり、安全保障関連法の規定において集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」に該当するかを問われた際、「武力の行使も伴うものであれば『存立危機事態』になり得るケースと考える」との見解を示したもの。これに、薛剣氏が「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿。日本政府は中国側に強く抗議している。

中国側は13日、金杉憲治駐中国大使を呼び出し厳重抗議し、高市首相の発言撤回を求めるなど、徹底抗戦している。野田氏は、先月31日に行われた高市首相と中国の習近平国家主席との日中首脳会談を「ひとまずいいスタートを切った」としながらも、高市首相の「存立危機事態」発言には「残念ながら今、こういう事態になっていることの中では、国会答弁で踏み込み過ぎた」と述べ、「そうは言いながらも、大阪総領事の発言は極めて品のない、とんでもない発言だと思うので、厳しく抗議しなければならない」と批判した。

一方、野田氏は、「ペルソナ・ノン・グラータ」への指定については「党内で今、(政府への申し入れを)検討しているというのは承知していない」と述べるにとどめ、「とんでもない発言であるのは間違いなく厳しく抗議することは当然だが、ただ国外退去まで求めることになると、そこまでエスカレートしていいのかという判断も、どこかで冷静にしなければいけないだろうと思う」と、「個人的見解」として語った。

同党の大串博志議員は10日の衆院予算委員会で、高市首相に発言撤回を求めたが、首相は「最悪のケース」を想定した上での答弁として、「従来の政府の立場を変えるものではない」と述べ、撤回を拒否。大串氏がこの問題での集中審議を求める考えを示していると問われた野田氏は、集中審議はまだ決まっていないとした上で、「チャンスがあるなら」と応じた、

「(首相発言は)かなり踏み込んだ発言だった。歴代総理は、総合的に判断するというところにとどめ、具体的にある種、手の内を見せるようなことはしなかった」とした上で、「踏み込みすぎると、対外関係でもいろんな影響が出てくる。その悪影響が出つつあるのは間違いない」と指摘。「踏み込みすぎた発言についてあらためて真意を問うことは、チャンスがあればやっていきたい」と述べた。