日中関係専門家「『やってる感』だけで終わる可能性」高市首相答弁めぐる日中協議に厳しい見方

日本テレビ

日中関係に詳しいキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司氏は17日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金午後1時55分)にリモート出演。台湾有事は集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得ると国会で答弁し、日中間の外交問題に発展している問題で、中国政府が自国民に日本への渡航自粛を呼びかけていることをめぐり、今後、来日する中国人観光客の大幅減の可能性が「十分あり得る」との認識を示した。

高市早苗首相は7日の衆院予算委員会で、民主党政権時代に外相を務めた立憲民主党の岡田克也元幹事長から、「どういう場合に存立危機事態になるか」と問われ、答弁した。中国側は激しく反発し、金杉憲治駐中国大使を呼び出して答弁の撤回を求めたほか、中国外務省は日本への当面の渡航を自制するよう自国民に注意喚起を始めた。これに関し、薛剣駐大阪総領事がX(ツイッター)に、「汚い首を斬ってやる」などと投稿したことで、日本では薛剣氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(外交上好ましくない人物)」として国外退去を求める声もあり、両国の緊張関係が続いている。

番組MCのフリーアナウンサー宮根誠司は、今年1月から9月までに中国人観光客は約740万人が来日していると指摘。「こうしたインバウンドの中国人観光客が、一気にいなくなることはあるんでしょうか」と問われた峯村氏は「十分あり得ると思っている」と述べた。自身の取材で、「できる限り旅行会社にもキャンセルを促すような指示をしていたり、中国と日本を結ぶ飛行機の減便も検討されている」と述べた。

一方、読売テレビの高岡達之特別解説委員に「人の交流を今の時点で、私はそこまで相手方もこぶしを思い切り振り上げるようには感じない。自粛して欲しいという言い方にとどまっている。(人的交流を)止めてしまうより、幕引きをしたいのか」と、中国政府側の思惑を問われると、峯村氏は「ちょっと前までは、私も『抑制的』と思っていたが(今は)自粛より強い『避けろ』という表現になった。行くな、というかなり強いトーンで、日本にどんどんプレッシャーをかけるよう、かじを切ったように思う」と解説した。

中国政府の態度が変わったタイミングを「先週の水曜、木曜くらい」と述べ、「習近平国家主席の指示がおりたと聞いている」とも分析。薛剣氏の投稿が削除されたことについては「一国の首相に対する『首を切る』という汚い言葉を出し、中国政府の中でもまずいという判断があり削除した」とした上で、「その上で、このままでは引けないということで、強気でいけという判断があって一気にキャンペーンが始まったとみた方がいい」とも語った。

日本政府からは17日、外務省の金井正彰アジア大洋州局長が中国外務省幹部との会談のため、北京に到着した。宮根に「(中国側は日本を)完全シャットアウトしたわけではない?」と問われた峯村氏は、「そこは受け入れるんですが、私は中国の外務省の局長とが話しても、あまり解決にはならないと思う」と指摘。「今の中国外務省自体、意思決定や政策決定にあまり権限を持っておらず、『やってる感』だけで終わる可能性もある」と、厳しい見方も示した。