立民幹事長、高市首相発言に苦言「議員としてと、総理の認識は別であるべき。安倍総理もそう」

高市早苗首相(2025年10月撮影)

立憲民主党の安住淳幹事長が、19日放送のBS-TBS「報道1930」(月~金曜午後7時半)に生出演。高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言で日中関係が悪化していることについて、持論を述べた。

番組では、高市首相の「台湾有事は存立危機事態になり得る」との発言を受け、中国政府が日本産水産物の輸入を停止すると伝えてきたことを報道。また、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事がXで「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」と投稿したことや、中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけたことも紹介。香港紙が、香港から日本への航空便の32%にあたる約49万件のキャンセルが出ていると報じたことも伝えた。

安住氏は日中関係の悪化について「とても残念だと思っています」と切り出すと「政治の中では激しいやりとりはいろいろ、これまでもありました。私どもが政権を取っている時も、尖閣の問題で、時の中国政府とはかなり激しくやりましたけど、しかし実際、経済はお互いウィンウィンでやっていきましょう、という政経分離の原則というんですかね。これをちゃんとやっていかないと、お互いの国にとってメリットがないので、できるだけ早い段階で関係改善を図って。少なくとも、政治の世界はいろいろ問題があるにしても、経済的にはお互いにきちんと付き合っていく、というのは、早期にそういう関係にしていきたいと思っていますね」と述べた。

司会の松原耕二氏から、民主党政権時の尖閣問題をめぐる対応より、今回の中国の反応が厳しいと見る向きがあることが伝えられると、安住氏は「中国をとりまく環境がトランプ政権の中で厳しいところもあって、そこに高市政権が発足して、警戒感があったと思うんですよね」と分析。「(高市氏は)国会質疑でああいうことになりましたけど、これまで歴代、安倍(晋三)総理もそうでしたけど、ご自身の議員としての発言と、内閣総理大臣になってからの存立危機に対する認識というのは、私は別であるべきだと思うんですね。私たちの党も必ず、歴代総理には、その基本認識だけは確認させてもらっているんですよ。ところがその時に高市総理は、ご自身の自説を総理大臣としてもそのまま、少し踏み込んだ発言をしてしまったということなんですね」と語った。 安住氏は「今、残念なのは、お互いの国同士で憎悪の応酬のような形になっているのは、私は不幸な事だと思います」とあらためて主張。松原氏から「高市さんは総理としては不用意だったと?」と聞かれると、安住氏は「というよりも、日本の国の総理大臣としての基本姿勢は変えるべきではない、と。つまり存立危機というのは、様々な条件を満たさなければ、そういう認定はできなくて、そのケースというは、ある意味ではそんなに明確にクリアにするものではなくて、その状況で判断する、ということになってますから、そこを踏み越えて発言してしまったというのはあると思うんですね」と指摘し、「たぶん外務省も防衛当局も想定していた答弁をそのまま、総理もやっていただければ良かったんですけど、そこからさらに踏み込んでしまった、ということだと思う」と語った。

高市首相の発言が、立民の岡田克也氏の質問への回答だったことにも触れられると、安住氏は「追及が厳しいという批判もあるかもしれませんが、岡田さんは外交のプロだし外務大臣としての実績ももちろんあって、この存立危機の問題について、新しい総理大臣に変わった時に、その認識は変わってませんよね、という確認のために必ずやっているわけですよね。これは石破総理の時だって、岸田総理の時だって…安倍総理だって、ご自身の考えとしては台湾に対しては特段、有事という意識はあるんですよ。だけど総理大臣としては、安倍総理もそこは絶対踏み込んだ発言をしないでやってこられたというのはあるんですよ。だからそこのラインはちゃんと守って下さい、というのは岡田さんの感覚だと思います」と説明した。