皇后さまが12月9日、62歳の誕生日を迎えられ、ご近影とコメントが同日、宮内庁公式サイトで公開された。
皇后さまは花柄の入った、光沢のある薄いブルーのドレススーツにパールのネックレスを合わせた近影を公開。天皇陛下と並んだ写真や、談笑する写真もアップされた。
62歳を迎える感想のコメントでは、まず戦後80年を迎えたことに触れた。「今年は、戦後80年という節目の年に当たり、先の大戦において我が国を含む世界の各地で多くの尊い命が失われたことに思いを致しながら過ごしてきました。陛下に御一緒して、4月に硫黄島、6月に広島県を、また、愛子も伴って6月に沖縄県、9月に長崎県、10月に東京都慰霊堂を訪れ、それぞれの地で亡くなられた方々に心から哀悼の意をささげました」と今年の公務を振り返った。
さらに「大戦中に戦災に遭われた方々や亡くなられた方々の御遺族、そして、戦争の記憶を語り継ぐ活動をしている方々のお話をそれぞれの地で伺い、多くの方が苦難の道を歩まざるを得なかった歴史を改めて思うとともに、戦中・戦後に多くの人々が経験した悲惨な体験や苦労について、戦争を知らない世代が学び、後世に伝えていくことの大切さを感じました。特に、戦後80年が経過し、戦争を実際に知る世代の方が少なくなってきている中で、これらの方々から直接お話を伺えたことは、愛子も含めて私たちにとってとても有り難いことでした。辛い体験を話して下さった御高齢の方々に心から感謝したいと思います」と、出会った人たちへのお礼も述べた。
皇后さまは「これまで、上皇上皇后両陛下からも折に触れて、戦争中の御経験について貴重なお話を伺わせていただいてきましたことに改めて感謝の気持ちを深く致しました。また、私自身の祖父母からも生前に、戦争中の様々な体験を聞いたことを思い出します。終戦から80年といえば、終戦の年に生まれた方がもう80才になられる年であり、あと20年で100年もの月日が経つことになります。この長い年月の間、多くの人々の努力によって我が国に平和が築かれ、守られてきたことを忘れてはならないと思います」と思いを強調。「同時に、今後とも永続的に平和を守っていくことの大切さを改めて深く心に刻む年になりました。過去の歴史から謙虚に学び、平和の尊さを忘れず、平和を守るために必要なことを考え、努力していくことが大切なのではないかと感じます。そのためにも、人々がお互いを知り、理解するよう努め、違いも認め合いながら思いやりの気持ちを持って尊重し合い、対話を大事にする、そのような寛容で包摂性のある社会であってほしいと願います」と胸中を明かした。
また「先の大戦による多くの方々の苦しみを改めて心に刻み、各地で亡くなられた方々や苦難の道を歩まれた方々に、これからも心を寄せていきたいと思います。そして、戦争の記憶が徐々に薄れていくことが心配される今日(こんにち)、当時の写真や映像などの記録や資料が適切に保管・継承され、戦中・戦後の苦難が今後とも語り継いでいかれることを願うとともに、将来にわたる平和と人々の幸せを今後とも祈っていきたいと思います」とコメント。「世界では、この80年の間も、戦争や紛争により各地で多くの人々が犠牲になり、また、困難を強いられてきました。この1年においても、世界各地での戦争や紛争により、子供を含む多くの人の命が失われ、多くの人が故郷を離れることを余儀なくされていることに深く心が痛みます。暴力や武力などの力に訴えることなく、異なる価値観を尊重して受け入れる寛容な社会と平和な世界を築いていくために、人々が対話を重ね、相手の立場を理解しつつ協力していくこと、そして世界中の人々が手を携えて、平和を築いていくための努力を重ねていくことの大切さを切に感じています」と、平和への思いをあらためて訴えた。