小泉進次郎防衛相は10日、防衛省内で臨時会見を開き、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射をめぐり、中国軍側が空母「遼寧」での艦載機の発着艦訓練を事前に自衛隊側に通知していたとする音声データを公開したことについて、事前に連絡はあったものの、具体的な内容については「十分でなかった」と明かした。
「中国国営メディアの報道につきまして、4点申し上げたい」と述べた進次郎氏は、中国側からの連絡について「1つ1つコメントするのは控えるべき」とした上で、6日に中国軍が沖縄周辺の太平洋で実施した訓練に関して、「中国海軍艦艇から海上自衛隊の護衛艦に対し、飛行訓練を開始する旨の連絡があり、その内容を聞き取った」と述べ、事前に連絡があったことは認めた。
一方で、「遼寧の艦載機がどのような規模で、どのような空域で訓練を行うか、具体的な方法は自衛隊にはもたらされていない」と指摘。「時間や場所の緯度、経度を示すノータムの情報もなく、船舶などに示す航行警報も事前に通報されていない。その結果、危険回避のための十分な情報はありませんでした」と、主張した。
その上で、「自衛隊のスクランブル発信は、適切かつ必要な活動だ。遼寧が所在した海域周辺は沖縄諸島などがあり、領空保全と国民の生命・財産を守る責務を有する防衛省・自衛隊が、空母から発艦した艦載機に対し、対領空侵犯措置を適切に行うことは、訓練に関する事前通報にかかわらず、当然であります」ときっぱり語った。
さらに「対領空侵犯阻止を実施していた航空自衛隊F15戦闘機が、遼寧の艦載機にレーダーを使用した事実はありません」と述べ、中国側の主張を完全否定した。
進次郎氏は4番目の指摘が「最も重要」とした上で、「問題の本質は、わが方が、対領空侵犯措置を適切に行う中で、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったということだ。中国側に対しては、こうした航空機の安全な飛行に必要な範囲を超える危険な行為について、再発防止を引き続き厳重に求めてまいります」と述べた。
その上で「長時間にわたり、レーダー照射を受けるという極めて緊張を強いられる状況において、冷静に任務を遂行した自衛隊のパイロット、支える地上クルーを誇りに思います」と述べ、「防衛省・自衛隊は、引き続きこのようなプロフェッショナリズムを発揮し、冷静かつ毅然(きぜん)と対応して参ります」と訴えた。
「日中間では懸案があるからこそ、率直な議論と意思疎通を重ねることが必要不可欠」とも語った。