著名ジャーナリスト「中国と水面下で接触しようとしても…」日本に有効なチャンネル見えずと嘆く

テレビ朝日

元NHK解説委員のジャーナリスト柳沢秀夫氏は11日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)に出演。今月6日に発生した中国軍機による自衛隊機への断続的なレーダー照射をめぐり、日本側の主張にさらに中国側が反発する応酬が続くことを念頭に、日本側が中国側に働きかけられる有効なカードがないとして、現状を嘆いた。

今月6日に発生した中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射について、中国軍側は空母「遼寧」での艦載機の発着艦訓練を事前に自衛隊側に通知していたとする音声データを公開。小泉進次郎防衛相は10日午前の臨時会見で、事前に連絡はあったことは認めたが、その内容は「十分でなかった」と指摘し「問題の本質は、中国側が約30分にわたる断続的なレーダー照射を行ったということだ」と、訴えた。これに対し、10日午後、中国外務省の報道官が会見で「日本はわざと焦点をずらしている」などと一方的な主張を展開しながら反論するなど、両国の応酬が続いている。

柳沢氏は、「この話は、どこまでいったって平行線だと思う」と指摘しながら「日本は、言わないといけないことは言い続けないといけないけれど、状況がエスカレートしないようにするため、どういうチャンネルがあって、(中国側の)だれがそこのチャンネルで有効なカードを持っているのかを見極めた上で、水面下でもいいですから、接触を保つことがいちばん大事なんです」と訴えた。

一方で「大事なんですが、残念ながらそういう人が日本側に見えてこない」と、嘆くように指摘。「中国側も、こういう判断は習近平国家主席が自分で判断する。その下の方は(習主席の)顔色ばかり見ているから、チャンネルをかけるとしても、果たして最終的にそれが習近平の判断になるかは見えない」と述べた。

また「バックチャンネルを使って水面下で接触しようとしても、有効に使えるカードがないところが、今(日本にとっての)いちばん問題。その辺、どうやって日本側から探していくのかが問われると思う」と、人脈づくりという今後の課題に触れた。

高市首相は10日の衆院予算委員会で、来年4月の訪中が取りざたされるトランプ米大統領が訪中する前に日米首脳会談を開催することに意欲をみせたが、柳沢氏は、「(トランプ氏に)クギを刺しておきたいのが高市総理の思いだろうが、トランプ氏ですからね。高市総理が言ったことを、『あ、そうですか。分かりました』なんて言うわけはない」と、懐疑的な考えを示した。

日中関係に対する米国側の認識として、「トランプ大統領の腹の中は、日本はあまり眼中にない、というのが本音ではないか」との見立ても披露した。