【将棋】女性初の挑決リーグ入り逃す…伊藤沙恵女流四段が齊藤優希四段と王位戦予選決勝で敗退

予選決勝で齊籐優希四段に敗れて女性初の挑戦者決定リーグ入りと棋士編入試験の受験資格獲得のダブル快挙を逃した伊藤沙恵女流四段

将棋の第67期王位戦予選1組決勝、齊藤優希四段(29)対伊藤沙恵女流四段(32)戦が25日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。対局は後手の齊籐が124手で接戦を制した。女性で初めて、藤井聡太王位(23)への挑戦権を争う挑戦者決定リーグ戦入りを目指した伊藤はあと1歩のところで姿を消した。勝てば、棋士編入試験の受験資格を得られるところだったが、こちらも逃した。

敗れた伊藤は、「あまり似たような形が少ない将棋でして、序盤から一手一手難しい展開なのかと思っていました」と振り返った。注目の大一番に「女流棋士人生で最初で最後かもしれない機会だ思いますので、すべてを出そうと思いました」という決意で、盤に向かった。

今期は、予選1回戦で渡辺正和六段を倒すと、棋王戦挑戦者決定戦で増田康宏八段に敗れた斎藤明日斗六段、名人戦挑戦者を争うA級順位戦の在籍者である中村太地八段、第3期叡王戦7番勝負(当時)で高見泰地七段とタイトルを争った金井恒太六段と実力者を次々と倒して勝ち上がってきた。

「ここまで来られて、中村先生をはじめ数々の強豪の方と対局できることがうれしくて、対局を指せる喜びをかみしめながら挑もうかなと思っていました。結果が幸いしたのは、本当に運が良かった部分もたくさんあった」。

女性の棋士の公式戦参加は1981年(昭56)の新人戦から。93年の竜王戦予選で中井広恵現女流六段が池田修一六段を破り、39戦目にして四、五段の男性棋士に対して白星を挙げた。以来、男性棋士やアマ強豪との研究会などにも参加し、徐々にレベルを上げてきた。20年には奨励会三段かリーグに在籍していた西山朋佳現女流2冠が次点に食い込んだ。

棋士編入試験でも、22年に女性初の受験者となった福間香奈現女流6冠は3連敗したが、今年受験した西山が2勝3敗と健闘している。

74年に女流名人戦が初めて創設されて51年。伊藤が新たな歴史を作った。その善戦健闘ぶりは称賛に値する。今年は政界で女性初の高市早苗首相が誕生した。将棋界でも「ガラスの天井」を突き破る日が来るのは近い。