東京・築地に本店を構えるすしチェーン店「つきじ喜代村すしざんまい」が5日、東京中央卸売市場の豊洲市場でクロマグロの初競りで一番マグロを落として、5億円超の史上最高額を記録した。競り落としたのは青森・大間町の第11長宝丸(伊藤豊一船長)が釣り上げた243キロのクロマグロで、1キロ当たりこの日最高値になる210万円。1匹で5億1030万円と記録をつけ始めた1999年以降では史上最高額の値がついた。
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緊迫の競りだった。21年から5年連続で一番マグロを抑えてきた「銀座おのでらグループ」とマグロ仲卸の山幸(やまゆき)のタッグチームは、6年ぶりに復活を目指す「つきじ喜代村すしざんまい」に主導権を譲らなかった。激しい競りの応酬でざんまい木村清社長は「カンカンカーンって、上がっていったね」と短時間での値の上昇をこう表現した。
木村氏には信念があった。一番マグロにこだわらず2番手、3番手でも脂のりの良さに目利きの重きを置いた。競り直前には大間で4日に水揚げされた325キロが本命視されていた。しかし、木村氏はやや細身で短時間で釣り上げた3日の243キロに目を奪われていた。「形がいいんだよ。ひと目みてほれぼれとした」と、どこまでも勝負をなげ出さない決意を固めていた。
おのでらグループは1キロ当たり200万円までは手を挙げたが、ざんまいが210万円をコールして動きを止めた。「カランカラ~ンカラン」と鐘が打ち鳴らされて、ざんまいの6年ぶりの一番マグロ復活ののろしがあがった。競り場に集まった観衆から「うおおおお~」と感嘆のざわめきがこだました。
木村氏は「いやー、ビックリしたね。もうちょい低いはずだったのに」と史上最高額となった5億円超の落札に舌をぺろりと出した。そして「みんなマグロが好き。おいしいマグロを落とせて良かった。お客さん、喜んでくれるね」と質のいいマグロを落とせた満足感を味わっていた。