衆議院は23日、解散された。高市早苗首相による「大義なき解散」との批判もある中、衆院本会議で恒例の「万歳」をしたのは、自民党議員だけという「しらけムード解散」。それでも高市首相は「新たな政策に国民の審判を受けて、堂々と国会で議論するための解散」と、大義を主張した。60年ぶりの通常国会冒頭解散、36年ぶりの真冬の選挙で、解散から投開票までが16日という戦後最短の日程も含め、異例ずくめの「高市解散・総選挙」は、永田町にどんな結果をもたらすのか。選挙は27日公示、2月8日投開票。
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「衆議院を解散する」。衆院本会議場に額賀福志郎議長の声が響くと、少し間を置いて自民党議員が恒例の「万歳」を始めた。高市首相は万歳せず、自席で頭を下げた。野党や、連立を組む日本維新の会は万歳に加わらなかった。解散直後の本会議場は時に熱気も漂うが、この日は完全にしらけムード。衆院議員でなくなった各候補者たちは戸惑い気味に議場を後にした。
19日の会見で「高市早苗が総理でいいのか、国民のみなさまに決めていただく」と、解散理由を説明した高市首相は、本会議に先立つ自民党両院総会であいさつ。「長い国会でご議論いただくのは、令和8年度予算のほかたくさんの重要法案。前回衆院選で公約に書いていなかったものも、ご審議いただく。前もって国民のみなさまに信を問うのは当たり前だ」と主張。解散総選挙で物価高対策がないがしろにされているとの批判を念頭に「誤った情報だ。昨年決めた経済対策やこれを裏付ける補正予算は既に成立し、順次執行されている。物価高対策はこれから考えることでも国会にはかることでもない。このタイミングだからこそ、国民のみなさまに信を問う責任があると考えた」とも訴えた。
自民党内でも、首相の解散判断には賛否がある。それでも、解散してしまった以上は、就任から3カ月以上、7割前後の高支持率を維持する「高市人気」に頼らざるを得ないのが現実だ。前回選挙まで支援を受けた議員が多い公明党が、連立政権を離脱し、敵対してきた立憲民主党と新党「中道改革連合」を結党。「公明票の流出による自民党候補への影響は避けられない」(自民党関係者)との声もある。「高市人気」が実際の票にどこまで反映されるかも、複数の与野党関係者が「分からない」「未知との遭遇」と口にする。
衆院本会議後、高市首相は自民党本部で行われた選対本部の看板かけに参加し、「勝つぞ!」と叫んだ。公認証授与では、1人1人に「勝ってください」と、目力で語りかけた。自身の人気で自民党に風を吹かすのか、野党の攻勢にさらされるのか。異例の短期決戦の幕が切って落とされた。