【衆院選】“菅義偉王国”の行方は…元かばん持ちVS真打落語家VS苦学の現役世代…新人が火花

2026年衆院選

衆院選(8日投開票)神奈川2区(横浜市西区、南区、港南区)では、菅義偉元首相(77)が政界引退を表明したことで、96年の初当選以降、約30年間続いた盤石の“菅王国”後継をめぐって、新人5人による戦いが繰り広げられている。

安定した戦いぶりと伝えられるのが、菅氏の秘書を約20年務めてきた自民党の新田章文(しょうぶん)氏(44)だ。公示日、終盤戦の各区の決起大会にはいずれも菅氏が参加し、全面バックアップ体制が取られている。菅氏のかばん持ち、運転手から始まり、首相秘書官までたたきあげ立候補する姿は、同じく議員秘書から首相にまで登り詰めた菅氏と重なる。新田氏は「普通の人間です。特筆するエピソードがあるわけではありません」とやや〝地味キャラ〟なのは自認しながらも「菅先生が政策を実現する姿を20年見てきた。それが私の強みです」とアピール。菅氏も「総理大臣になった時に秘書官にして“試した”んです。その私が言うんですから、間違いありません。後継は新田候補しかおりません」と太鼓判を押した。地元の小泉進次郎防衛相、片山さつき財務相らも次々と応援に訪れるなど党内の期待も高く、新田氏は「菅先生の政治を終わらせてはいけない。絶対負けるわけにはいかない」と必勝を期している。

中道改革連合は、落語家、柳家東三楼(とうざぶろう)氏(49)が前回24年に続いて出馬している。落語家初の人間国宝となった5代目・柳家小さんさん(02年死去)の弟子、柳家権太楼を師に持ち、14年に真打に昇進。昨夏に地元の横浜にぎわい座で開催した自身の名を冠した高座には、林家木久扇らも出演した。「ハマの真打」を名乗るバリバリの現役だ。現在は一時、高座を封印し、選挙に集中。もちろん演説はお手の物で、本人は「(演説上手の)枝野さんとかには負けますが…」と謙遜するが、街頭では「独演会」と題して、40分を超える演説を連日、行っている。前回は菅氏の前に苦杯をなめたが、その後も街宣活動を1年以上継続。「知名度も徐々に付いてきた。1回目より手ごたえがある」と話す。新党合流についても「公明党の芸術政策、文化教育は考えが近いところも感じていた」と説明。自由でリベラルな雰囲気の米ニューヨークに住んだ時期もあり、党が訴える「生活者ファースト」を地で行く草の根の活動で、支持を呼びかけている。

国民民主党は、重視する「現役世代」ど真ん中の、金融事業会社員、片山智絵氏(34)を擁立した。趣味は「自炊」。食パン1枚で1日を過ごすなど、奨学金とバイトで学費と生活をまかなった苦学の学生時代を赤裸々に明かし、「どの世代も苦しい。それは政治の失敗。今の古い政治を続けていけば、失われた40年、50年になっていく。新しい政治が必要」と強調。現役世代の活力増加が、結果的に社会保障の充実、そして高齢者や子供を救うことにもなるとして「皆がお金に困らない社会」を目指している。玉木雄一郎代表は複数回にわたって横浜入りし、榛葉賀津也幹事長も演説に加わるなど、党の顔2人からは熱の入った応援も。選挙区最年少の片山氏は「現役世代にスポットを当ててくれる政党がなかった中、ようやく国民民主党がスポットを当ててくれた。今度は私が、皆さんにスポットライトを当てていきたい」と意気込んでいる。

参政党は不動産賃貸管理業の平本幸次郎氏(63)が立候補。勢いを増す参政党が国民と国政のパイプ作りに実績を積み重ねていることを強調しながら、日本人が穏やかな生活を守れる外国人政策などを訴えている。

共産党は、約40年間の看護師経験を持つ並木まり子氏(74)が出馬し、医療従事者の環境改善などを訴えている。