第51回衆院選は9日、全465議席が確定した。公示前議席198だった自民党は、単独で3分の2を超える316(追加公認した無所属1人を含む)を獲得して、歴史的圧勝を果たした。1つの政党が単独で3分の2以上の議席を獲得するのは戦後初めて。高市早苗首相(64)は自民党本部で記者会見し、「責任ある積極財政」や防衛力強化など今後の政権運営や政策実現に向けた方針を示す一方、選挙戦中に問題となった討論番組ドタキャンへの批判について、時間を割いて反論した。
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選挙戦から一夜明け、自民党総裁として会見した高市首相は、青いジャケット姿で党本部のホールに現れた。衆院選について「与党で352という、大きな議席をいただいた。重い、重い責任で、身の引き締まる思い」と語った。
自分が首相でいいのか問うた戦いは「大義がない」と批判もされたが、「責任ある積極財政など重要な政策転換を進めていいのか。信任いただけないなら、私が内閣総理大臣でいる意味はない。(圧勝で)強い形で背中を押していただいた」と述べ、「党一丸となり歯を食いしばり、私は先頭に立ち実現していく」と決意表明した。
自民党は戦後初めて、単独で衆院定数の3分の2を超える316議席を獲得。これまで最多だった中曽根康弘政権の300議席を、40年ぶりに更新した。「サナエ推し活選挙」といわれた高市人気は、政策議論も野党も蹴散らし、落選した野党の候補者が「相手候補というより、高市人気という、見えない敵と戦っている感じだった」と振り返るほどだった。
永田町の常識にはまらない「高市1強」への警戒感は根強いが、首相は歴史的勝利にも高揚感は見せず、「勝利の余韻に浸る余裕はありません」と強調。まずは、選挙戦で遅れた26年度予算案の成立を急ぐ考えを表明した。
また「国民のみなさんは、私といっしょに挑戦していく判断をしてくださった。国民のみなさまと新たな挑戦に踏み出します」と述べ、公約に掲げた食料品に限った消費税の2年間ゼロを目指し、夏前に「国民会議」で中間とりまとめを行う方針や、憲法改正に向けた国民投票の環境整備への意欲などを、次々と口にした。
一方。質疑応答では、選挙戦中のNHK「日曜討論」ドタキャンをめぐる批判について問われた際、NHKに陳謝しつつ「私が討論番組を逃げる理由は何もありません。着ていくお洋服も決めていた」などと、時間を割いて経緯を説明し、批判に反論。ドタキャンの原因になった持病の関節リウマチについて「選挙も終わったので、しっかり治療し、万全の態勢で(18日召集の特別)国会に臨めるようにしたい」と、訴えた。【中山知子】