総合診療医の舛森悠氏が9日夕、自身のX(旧ツイッター)を更新。高額療養費制度をめぐり、衆院選で高市早苗首相(自民党総裁)率いる自民党が大勝した裏で「静かに進んでいる」という話に言及した。
舛森氏は「『選挙、自民圧勝でしたね』で終わらせてはいけない話があります。実はその裏で、医療の"命綱"である『高額療養費制度』のルール変更が、静かに進んでいます。現場の医師として、あえて強い言葉で言わせてください。これは単なる負担増ではなく、患者さんへの『兵糧攻め』になりかねない」と警鐘を鳴らし、書き出した。
そして「▼何が決まろうとしているのか 政府案のポイントは、主にこの2点です。<1>中間層の負担増(約3割UP) 年収700万円前後の方で、月額上限が現行の8万円台から、将来的には11万円超へ引き上げられる可能性があります。<2>「2年ごとの見直し」規定 一度上がって終わりではありません。気づかぬうちに負担上限が自動的に切り上がる仕組みが導入されようとしています」と説明。
「▼現場で見ている現実『先生、高い薬はもう無理です』『お金が続かないので、回数を減らせませんか?』診察室でこう言われることが、今でもあります。月3万円の負担増は、数字以上に重い。毎月続く抗がん剤治療や難病治療において、この差額は『治療を続けるか、生活を守るか』という残酷な二択を患者さんに迫ることになります。もちろん、医療費の財源が限界なのは理解しています。だからこそ、高市総理には期待しています。『国を守る』とは、領土だけでなく、そこに生きる国民の生活と健康を守ることでもあるはずです」とつづった。
その上で「今回の選挙での『大勝』は、白紙委任ではありません。圧倒的な信任を得たからこそ、その重みを受け止め、弱い立場の人々を切り捨てることなく、丁寧な舵取りをしてくれると信じています。もしこのまま機械的な負担増だけが推し進められるなら、その結果に対する全責任は、信任を受けた与党が負うことになります。病気は誰にでも、突然降りかかります。皆さんは、この『見直し』を受け入れられますか?ぜひ、生活実感やご意見を聞かせてください」とした。
舛森氏は衆院選開票前の5日の更新でも「正直、驚いてます。医師として、父として。政府が進める『高額療養費』の負担増。ヌルッと進んでいますね。これ、現役世代にとって『がんになったら家計崩壊』の宣告に近いです。たとえば年収700万円のパパががんになったら、手取りの『25%』が医療費に消える概算。住宅ローン払って、子供の塾代払って、さらに月10万以上も医療費払えますか? 一番怖いのは『子供の学費のために、自分の抗がん剤を諦める』親御さんが出てくること。現場でそんな選択、患者さんにさせたくないです。『命の値段』が、現役世代だけ高すぎると思います」と投稿。
さらに、続くポストでは「『がん保険に入ればいい』というご意見、たくさん頂きました。確かに、個人の自衛策としては正解です。でも、現場の医師としてこれだけは言わせてください。『入りたくても入れない人』が、世の中には沢山いるんです。過去に病気した人、持病がある人、ギリギリの生活で保険料が払えない人。国民皆保険(公的保険)は、そういう『民間保険からこぼれ落ちる人』も含めて全員を守るための最後の砦のはず。『お金がある人だけが助かる』それって、国民が目指す日本の医療の姿でしたっけ?」と問いかけていた。
舛森氏には「総合診療科の僕が患者さんから教わった70歳からの老いない生き方」などの著書がある。