参政・豊田真由子氏、3分半のド正論「ただ、ひたすらに残念」 衆院予算委、静まりかえる

豊田真由子氏

参政党の豊田真由子政調会長が12日、衆院予算委員会で、質問時間の冒頭、約3分半のド正論をぶち、委員会室が静まりかえった。

12日の予算委は、昼休みに自民党の坂本哲志委員長が職権で13日の締めくくり質疑、採決を野党の合意を得ず職権で決定。熟議を求める野党側はこれに異議を唱え、午後1時の再開予定が1時間遅れる異常事態となった。

午後に質問の予定があった豊田氏は予算委の審議日程などを調整する理事会のメンバーの1人。豊田氏は、自らの質問時間から約3分半を費やして、状況の説明と、あるべき姿をとうとうと語った。

豊田氏は質問時間冒頭、「冒頭恐縮でございますが、私、後半で時間をきちんといただける唯一の理事会の参加メンバーかと思いますので、私どもの質疑の前提として、あの今何が起こっていて、この混乱があったかということを、攻撃とかでは全くなくですね、このテレビ(中継)、ラジオまたはネットニュースの(中継を見ている)方にご説明をする責務が私にはある」と、切り出した。

白のスーツ姿の豊田氏は、柔らかい語り口。しかし毅然(きぜん)とした態度で質問を続けた。「私、テレビのコメンテーターをちょっとやっていた時期もございまして、全く売れっ子ではなかったんですけれども、あの難しいことを分かりやすくご説明するということをちょっとやってみたい」と、落選中の苦労話も交えて本題に入った。そしてズバリ、「今回、非常にもめておりましたのは、一重ですね。審議時間、質疑時間が短いということでございました」と明快、簡潔に対立点を説明した。

豊田氏は、東大卒の厚労省官僚出身で、ハーバード大大学院にも留学。12年の衆院選で初当選し、自民党議員として2期務めたバックグラウンドを持ち、国会の裏側も熟知している。豊田氏は「通常はですね、通常国会は1月後半に開かれますので、まあ2月は衆議院、3月は参議院という形で、充実した審議が行われることになっております」と国会の本来の流れを説明。しかし、高市早苗首相が解散総選挙を打った今回については「今年はですね、解散がございました関係で、審議時間が非常に短い」と現状を解説した。

この豊田氏の冒頭発言にはヤジも拍手もほとんど飛ばず、豊田氏の正論が続いた。「何が問題かと申しますと、まあ例えば今回であれば122兆円という過去最大のあの予算でございます。これは全てが国民の皆さまの生活未来に直結をする、経済、社会保障、国防、中東情勢もございます。また農林水産業いろんな方にすべてに関わることが、そんな短い審議時間で終えられてしまっていいのか。というのが、私どもの問題意識でございました」。

豊田氏はここでいったん、「これは決して、何かサボタージをしているとか、けんかをしているとか、そういうことは全くございませんで、私けんかは苦手でございますので、とがらない野党を心がけております」とクッションを放り込んでから「そういう意味からも、なぜこの『質疑時間が十分確保されなかったか』というところが、やはりあの非常にあの私どもとして困っているというところでございます」と切り込んだ。

元自民党の議員として「ただ一方で4月1日にきちんと予算が成立しないと困るということも一部にはございます」と、年度内成立を急ぐ高市首相らの考えについても言及。「しかし、私どもの国会はですね、素晴らしい仕組みを持っておりまして、暫定予算という制度がございます。この必要な部分だけを切り離して、先にあの成立させるということが可能になっております」と、暫定予算を立てて審議時間を確保する方法を解説。まさに豊田氏が自民党議員だった13年と15年に安倍政権が行った例がある方法だ。

しかし、安倍政権とは違い、高市政権は審議時間を異常に短く切り上げ、年度内成立にこだわる。豊田氏は「ぜひそれ(暫定予算)をお願いしたいと申し上げておったんですが、それがなかなか叶わないということでございました」と語った。

豊田氏は「私は以前、与党でお世話になっておりまして、今野党に属しております。なので、与党の皆様方のお立場も、野党の皆様方のお気持ちもよく分かっておるつもりでございます」と、与野党双方の立場の違いには理解を示した。しかし、その上で「私は与党も野党も、国会にいらっしゃる先生がたはみなさま、日本国のために日本国民の幸せのためにと思って働いておられるはずであります。それがどうして、今回こういう形で、まああの十分な熟議が国会で行わなかったのか、ということを、ただひたすらに、残念に思うということであります」と、委員会室に国会議員たちに静かながら、毅然とした態度で訴えかけ、冒頭発言を締めくくった。

衆院予算委は13日、締めくくり質疑を行い、予算案が与党の賛成多数で採決される見通し。衆院議運委の山口俊一委員長(自民党)も12日の理事会で、本会議を13日に開くと職権で決めており、予算案が本会議に緊急上程され、与党の賛成多数で可決される可能性がある。