社民・福島瑞穂氏「戦争だけはやっちゃいかんと言われた」村山富市元首相お別れの会で追悼の辞

村山富市元首相のお別れ会を終え、取材に応じる社民党の福島瑞穂党首(撮影・中山知子)

自社さきがけ政権で第81代内閣総理大臣を務め、昨年10月に101歳で亡くなった村山富市元首相のお別れの会が20日、都内のホテルで営まれた。村山内閣で副総理兼外相を務めた河野洋平元衆院議長や科学技術庁長官(当時)だった田中眞紀子元外相、社民党の福島瑞穂党首ら約450人が参列した。

自民党の麻生太郎副総裁や石破茂前首相らも参列し、高市早苗首相も献花に訪れた。会場にしつらえられた祭壇には、トレードマークの長いまゆ毛で「トンちゃん」と親しまれた、笑顔の写真が飾られた。

河野氏は式辞で、「日本の政治の良心、市民の宰相だった偉大な先生を失ったことは大きな損失」とした上で、「植民地支配と侵略への反省とおわび」を明記した戦後50年の「村山首相談話」を、「最大の功績。30年たっても継承され、平和への思いが凝縮されている」と述べた。自衛隊を合憲と認めたことなどを念頭に「日本社会党委員長として、数々の抜本的政策変更はおそらく筆舌に尽くしがたい重圧だったに違いないが、それでも自ら火中の栗を拾う覚悟で国難に正面から立ち向かった」と述べ、激動する世界情勢の中で「平和の尊さを説き続けてきたあなたのご見識をうかがえないのは、誠に残念だ。あなたがたどった平和への歩みを私たちが受け継いでいきます」と述べた。

一方、福島氏は、追悼の辞で、村山氏を「政治の父だった」と振り返り、「私は、村山さんから『戦争だけはやっちゃいかん』と言われてきた。世界で戦争が起き、日本では憲法9条改悪の動きが強まる中、村山談話を継承し発展させていくことが、日本が当事国となる戦争を止め、平和をつくっていくことにつながると確信している」と主張。「トンちゃんに『頑張れ』と言われると、力が湧いた」とも語りかけた。

かつて社民党に所属した立憲民主党の辻元清美参院議員は、初登院の時を振り返り「テレビで見ていた村山さんだと緊張していたが、あの時、トンちゃんのまゆ毛は写真より実物の方がすごいと、見とれていました」と明かし、「村山さんが示された歴史への誠実さと平和への確固たる意志、権力への戒めを、混沌(こんとん)とする今こそ、しっかり引き継いでいかないといけない」と訴えた。

村山政権当時、母親に代わりファーストレディー役を務めていた次女の中原由利さんが親族代表であいさつに立ち、「父は心にわだかまりがなく、いつも軽やかな人だった。仕事に関しては厳しく、総理在任中は眠れぬ夜もずいぶんあったと思うが、声を荒らげて怒ったり人を攻撃したりすることは、一切なかった」と述べた。

国会議員を引退して地元大分に帰った後、免許を返納するまでは自ら車を運転し、免許返納後は自転車でディスカウントストアに買い物に行くなど、地元でも気さくな人柄として親しまれていた父の晩年を振り返った。

その上で「亡くなる前まで、朝起きると『まだ、ぼくに世のため、人のためにできることはないかな。この年まで生きられたのは、本当にみなさんのおかげじゃ』と話していました」と述べ、「父は、まだまだみなさんにご恩返しがしたかったのだと思います」とも語った。