高市早苗首相は13日の参院本会議で、自身の陣営が昨年の自民党総裁選を戦った小泉進次郎防衛相らや、今年2月の衆院選における中道改革連合の候補を誹謗(ひぼう)中傷した動画を作成し、SNSに投稿していたとする「週刊文春」報道をめぐり、自身の関与について「一切ありません」と明確に否定した。
一方、報道内容がもし事実だった場合の責任についてのとりかたについて問われると、報道内容を否定する答弁を行った上で「申し上げたとおりですので、仮定のご質問にお答えすることは差し控えさせていただきます」と述べるにとどめた。
立憲民主党の小西洋之議員の質問への答弁。
この日の本会議は、高市首相らが出席し健康保険法などの一部を改正する法律案について質疑が行われたが、小西氏は冒頭、「本法案責任者の高市総理の地位の正統性に関して質問します」として、文春報道に言及。「高市総理は公設第1秘書の総選挙などにおける批判中傷与投稿への関与疑惑について、わが会派の議員の質問に、『高市陣営が運営するアカウント以外のSNS発信は行っていない』と言った。あからさまなごはん論法の答弁を繰り返している」と主張しながら、公設第1秘書が第三者に対し、動画の作成と発信を依頼していたかをあらためて問うた。
高市首相は11日の参院決算委員会で、この報道について立民の森裕子議員からも問われ、「週刊誌より秘書を信じる」と主張したが、小西氏は「秘書を信じるのは結構ですが、秘書といっしょに国会や国民にごはん論法の説明をするのは許されない」と主張。秘書が高市首相の関係政治団体の会計責任者を務めているとして、領収書の受領や団体の帳簿、収支報告書への記載の事実関係についてもただした。また、かつて高市首相が、自身が登場する放送法の「政治的公平」に関する総務省の行政文書について「明らかに正確なものではない」などと主張した発言を引き合いに、「高市総理は、総務省の行政文書を部下の官僚が悪意をもって捏造(ねつぞう)したなどと誹謗(ひぼう)中傷し、捏造でなければ大臣も議員も辞職すると答弁しながら、3人の官僚全員が捏造などしていないと報告しても、なおその地位に居座り続けた。保守政治家の風上にもおけない」と厳しい口調でただし、今回の文春報道への関与の有無と、報道内容が事実だった場合の責任のとりかたについてもただした。
小西氏の質問に、高市首相は「まず最初に申し上げますが、おたずねの週刊誌に書かれている内容に、私自身がかかわっていることは一切、ありません」と主張。その上で「事務所職員にも確認しましたが、高市事務所、および陣営においては総裁選や衆院選で、事務所が運営するアカウント以外の発信は行っていない。他候補者へのネガティブな発信や、そのような動画を発信するといったことも一切行っていないと(秘書から)報告を受けている」とこれまでの国会答弁の内容を繰り返した。秘書と依頼者の間のものと報じられたラインやシグナル、ソートメッセージの内容についても「存在を確認できなかったと報告を受けている」と述べた。
最初は穏やかな口調だったが、高市首相はだんだん語気を強めた。自身の関連団体からの支出や、領収書の受領、会計帳簿や収支報告書への記載も「一切ありません」と述べる一方、記事が事実だった場合の対応に関しては「本件は以上申し上げた通りですので、仮定のご質問にお答えすることは差し控えさせていただきます」とだけ答えた。