旧横浜市役所行政棟が宿泊施設に変身した。星野リゾートが運営を委託された「OMO(おも)7横浜by星野リゾート」(OMO7横浜、客室276室)がこのほど、開業した。同グループでは今年開業を控える「星のや旧奈良監獄ホテル」(奈良市)とともに、変わり種ホテルがお目見えした。
OMO7横浜は、JR関内駅前の跡地を活用した開発プロジェクトで建設された「BASEGATE横浜関内(横浜市旧市庁舎街区活用事業)」内の施設となる。歴史的価値を継承するホテルとして活用される。
ホテル内の至るところには、市役所の名残がある。建物の外観のほか、フロント、青いれんがの壁とエレベーターなどは当時のままだ。大階段は「市民広間」から移設された。ラウンジチェアは、旧市会棟の本会議場にあった座椅子。
1956年(昭31)に横浜開港100周年に向けての記念事業の1つとして建設が決まり、59年9月12日に落成式を迎えたこの建物は、6年前にその役目をいったん終えた。市役所は桜木町へと新築移転した。昨年8月には行政棟が戦後の建造物として初めて「横浜市認定歴史的建造物」となった。
今回は観光の拠点を担う。もともとの横浜発展の原点は、ここ関内。幕末の1859年に港が開け、人と物が流れて街として成立した。明治維新後の1872年(明5)の鉄道開通は東京・新橋から横浜の間とされているが、当時の横浜駅というのは、今の桜木町駅。関内の隣になる。
横浜市内の観光といえば山下公園や中華街、みなとみらい地区、02年サッカーW杯決勝戦が行われた日産スタジアムやライブなどが開催される横浜アリーナのある新横浜地区と、関内から同心円状に広がっている。しかも、横浜市を訪れる年間約3800万人の観光客のうち、8割以上の3300万人あまりが日帰り。宿泊利用は少ない。都内や、同じ神奈川県内でも箱根へと流れてしまう。
OMO7横浜では、横浜発祥となる地で歴史や文化と、現代の感覚が融合した新たな体験施設での宿泊を目指す。まさに「原点回帰」「温故知新」をPRする