テレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)の大越健介キャスターは9日夜の放送で、衆院議員の議員定数(465議席)をめぐり、与野党の選挙制度協議会で1年以内に結論が得られなければ、1割に当たる45議席を比例代表のみで削減する方針案を自民党が示したことに、「有権者はそこまで、与党に白紙委任したのでしょうか」と述べ、強くくぎを刺した。
議員定数の1割削減目標は、自民党が昨年10月に日本維新の会と連立政権を組んだ際の合意書にも含まれる内容で、維新の吉村洋文代表は「政治改革のセンターピン」と主張し、実現を強く求めている。高市早苗首相も今国会での実現を目指す考えを示しているが、議員定数削減はすべての国会議員の身分にかかわる問題で、それを与党だけで決めることには野党側から強い反発があるほか、自民党内にも異論がある。
番組では、2月の衆院選でも自民党などは小選挙区で多くの議員が選出されている一方、比例代表のみで当選している政党も多いことから、もし比例のみ削減を行うとなれば、多様な意見が国政に反映されなくなる、と伝えた。また、今後法案が提出された場合、圧倒的な数の力を持つ衆院は通過できたとしても、少数与党の参院では否決される可能性があるとして、その場合、憲法の規定に基づく衆院再可決で法案成立をはかるべきと吉村氏が主張していることも報じた。
大越氏はVTRの後で、「衆院の定数が多いのか少ないのかは日々、国会で仕事をしている議員さんたちがいちばんよくご存じでしょうから、どうぞご自分でお決めください、という話ではありますが」とやや突き放しつつ、「ただ、比例代表部分だけを削減すれば、少数政党が議席を得ることがより難しくなり、結果として有権者の選択肢を狭めることにもつながります」と、指摘した。
その上で「それでも構わないと突き進むことは、果たして妥当なのか。有権者はそこまで与党に白紙委任をしたのでしょうか」と、与党が「数の力」で国会での議論を押し切ろうとすることへの警戒感を表明。「そこは与党議員一人一人の良心に照らしてじっくり考えていただきたいと思います」と、与党議員に熟慮を呼び掛けた。