鈴木宗男氏、阿部慎之助氏は「なぜ逮捕?が一般の思い」送検時の「寛大処分」理由を警察庁に問う

鈴木宗男氏(2026年4月撮影)

自民党の鈴木宗男参院議員は18日の参院法務委員会で、長女に暴行したとして5月25日に現行犯逮捕された巨人阿部慎之助前監督(6月15日に不起訴処分)に対する警視庁側の現場での判断が妥当だったのかとして、警察庁幹部の認識をただした。

6月9日に警視庁が暴行容疑で阿部氏を書類送検した際、検察側に対して、厳しい処分を求めない「寛大処分」の意見を付けたと報じられていることに触れながら「それならば、なんで逮捕したのかというのが一般的な思いになる」などと指摘し、警察庁側の認識を問うた。

6月2日の質問に続いて阿部氏の件を取り上げた宗男氏は、阿部氏の自宅に向かった警視庁警察官の判断に重ねて疑問を呈し「私のところには『アンチ巨人の警察官だから無理して逮捕したのではないか』なんていう、うがった見方をしている人の声も届いている。私は、さもありなん、という感じがします」と述べたり、「なぜ現行犯逮捕だったのか。任意(による取り調べ)でもよかったのではないか」と主張。「その上で逮捕するならいいけれど、少なくとも阿部監督は有名人で、もし何かあったら間違いなく大ニュースになる」と述べ、「私のところには『不当逮捕』ではないか、行き過ぎではないか、という声もたくさん来ている。私もそう思っている1人だ」と訴えるなど、阿部氏に対する警視庁の現場判断に私見をまじえて疑問を呈した。

これに対し、警察庁の山田好孝生活安全局長は「警察におきましては平素から各警察官に、厳正公平に職務執行に当たるよう指導している。警視庁からは、本件においての公平性、中立性に疑念を抱かせるような助教はなかった旨、報告を受けているところです」と述べ、現行犯逮捕の判断は妥当だったとの認識をあらためて強調した。

一方、宗男氏は「報道では、警視庁が『寛大な処分』をお願いするということを付けて、書類送検したとなっている」と、書類送検時の報道に触れながら、「正確に『寛大な処分』という表現なのか。文書をつけたことは事実なのか。(検察に対し)穏便に、とか、配慮をいただきたい、とか、そういったメッセージ性を帯びたものを付けて出したのか教えていただきたい」と質問。山田氏は、東京地検が6月15日に、阿部氏を起訴猶予処分にしたと触れながら、「警察からの書類送致については、ご指摘のような報道がなされていることは承知しているが、警視庁からは、本件については情状等に関する意見については公表していない、と報告を受けている」と述べるにとどめ、「個別事件における背景事情にもかかわってくることから、警察庁としてもどういう処分意見を出したのかは、お答えを差し控えたい」と、多くを語らなかった。

そして「一般論」とした上で「逮捕時に現場の警察官が必要性を認めて現行犯逮捕をしたものに対して、その後の捜査で事案の全容解明をして、起訴猶予を求めることが相当と判断されたものについて、寛大処分との意見をして送致することはあり得ると承知している」とも述べた。宗男氏が「なにがしかの言葉を添えて書類送検したということでいいのか」と問うと、「ご指摘の通りです」と、応じた。

宗男氏は「社会問題になっているといってもいいくらい話題になっている話で、隠すような話でもない。(送検時に)何がしかのことは付けた。それならば、なんで逮捕したのかというのが一般的な思いになる」と主張。「一般的には公表できませんと言うが、(処分意見の内容は)いずれ明らかになるでしょう。そこでまた困るのは警察だと思う」と主張し、「かくかくしかじかで、こういう意見を付けたと言った方が逆に警察の信頼を得ると思う。今後のことも踏まえて、これからも対応してほしい」と求めた。

東京地検は6月15日、阿部氏の不起訴処分を発表。被疑事実の要旨は、東京・渋谷区の自宅で18歳の長女に対し、胸ぐら付近を手でつかみ、押し倒すなどの暴行を加えたとしている。これに先立ち、「復帰を願う会」は6月10日、公式Xで読売巨人軍、読売新聞グループ本社に13万筆を超える署名と要望書を送ったことを明らかにしている。