立民・杉尾秀哉氏「全部秘書の責任なんですか?」中傷動画疑惑などで高市早苗首相を追及

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員(2022年撮影)

立憲民主党の杉尾秀哉参院議員は22日の参院予算委員会で、昨年の自民党総裁選などで高市早苗首相の陣営が他候補を中傷する動画の作成、投稿に関わったとする一連の疑惑報道や、暗号資産「サナエトークン」をめぐる首相答弁に対し、「国会の答弁はそんな軽いものなのか。自分の責任ではなく全部秘書の責任なんですか」と、怒りをにじませた。

杉尾氏は質問で、今回の一連の問題について「高市総理とその周辺に重大な疑問が投げかけられている」と切り出し、「中傷動画をめぐる問題、虚偽答弁の疑い、選挙の公平性とSNS規制、金融犯罪の疑いがあるサナエトークンの問題、政治への信頼が民主主義の根幹が関わる問題で看過できない。これは単なるスキャンダルではありません」と批判。高市首相が中傷動画疑惑に関して6月5日の衆院予算委員会で答弁した内容に誤りがあったとして、同10日の同法務委員会で訂正したことにも触れ「答弁の訂正ですむ問題とお考えか」とした上で、高市首相が秘書に対する確認作業の過程で訂正の必要性が生じたとする趣旨の答弁を踏まえて「国会の答弁はそんな軽いものか。自分の責任ではなく、全部秘書の責任なんですか」と指摘した。

これに対し、高市首相は「さきほど来、中傷動画とか暗号資産、こういったことについて、あたかも犯罪であるかのようなイメージ操作をされているように感じます」と反論。杉尾氏が「してませんよ」と否定すると、「いや、そうおっしゃって質問が始まった」とした上で、この日の衆院予算委員会でも答弁した内容を、延々と繰り返し答弁した。杉尾氏が「聴いてない、聴いてない」と自席で反論し、藤川政人委員長にも「答弁をまとめてください」「端的にご答弁を」と指摘されても、高市首相は衆院で語った内容と同じことを説明。「秘書に責任を押しつけるのではございません」と反論し「週刊誌の記事をもとにこれを確認してください、と言われる。質問通告をいただくたびに、こういう週刊誌の該当部分を深夜に読んで委員会当日の深夜から早朝に秘書に電話をする。こういったことですよ」「複数の週刊誌記事をもとにさまざまな時期のさまざまなことがらのご質問をいただき、その都度、誠実に私は答弁をしてきた。報道では一部が切り取られ、混乱を招くことになる。総理としての業務時間も確保できなくなっている」と、不満を口にした。

「私が伝言係になって間違いが起きたら困る」として、この日の衆院予算委で細かい内容の質問には委員会の場では答えず、近日中に秘書の「陳述書」などを提出するのでそれを質問の答弁にさせてほしい、と述べたが、参院でもあらためて主張。杉尾氏は「野党の質問に真摯(しんし)に答えないし、秘書の陳述書を出すから、それで勘弁してくださいと。総理は、自分で答弁するつもりがないのか。そしてこれだけの証拠、事実関係があるのに、自分で答えないのはあまりにも不誠実ではないか」と反撃。中傷動画疑惑に関する高市首相の答弁内容の推移に触れながら「事実を突きつけられないと、答弁したことが違うということが分からないのか」とも述べた。

この指摘に、高市首相が「答弁が二転三転している、というのは当たらないと思います」と述べると、立民議員から「えー?」「何言ってんだ」と、痛烈なヤジが飛んだ。それでも高市首相は「国会での(自身の答弁の)修正というのは、そちらのみなさまの質問が、本当に複数の週刊誌記事をもとにさまざまな事柄に関していただいている。その都度、私は誠実に答弁してきたが、それでは伝え聞きになる。毎晩、そういうことをしている時間はありません」などと突っぱねるように応じた。

「週刊誌の記事を元に質問されても困ります。(疑惑の)一つ一つの信憑(しんぴょう)性の確認を私に求められても困ります」「杉尾委員のお使いになった資料の出元が私には分からない。確認するすべもない。真正のものかも分からない」とも訴えた。

杉尾氏は、高市首相が秘書の「陳述書」を出す場合、首相の公設第1秘書と、動画の作成、拡散を週刊誌などで告白している男性の間のLINEなどSNSのやりとりや、オンライン会議の証拠なども添付するよう求めたが、高市首相は「私どものところで、そういう記録は残っていない」と述べるにとどめた。