日本棋院の新理事長に就任した高尾紳路九段(49)が24日、東京・市ケ谷の同院東京本院で記者会見に応じた。赤字経営が続く厳しい状況に自ら「存続の危機」と評し、「スピード感を持って取り組む。ゆっくりしている時間はない」と改革に乗り出す方針を示した。
高尾理事長は、「時代に合わせた変化を」と語った。最も求められているのは、これまでなかった引退や定年制といった棋士の制度改革だ。「経営が厳しくなった要因」として若手棋士や関係者からは棋士の多さが挙げられていた。明確な引退制度、定年制などを導入すべきとの声も出ていたのは事実だが、全く手付かずの状態だった。これには「着地点を見いだす。丁寧に議論を進めたい」とした。
また、老朽化により長期使用は難しいとされている東京本院の売却問題については、「明言はできないが、早い時期に結論を出したい」と話すのにとどまった。
会見では、これまで自身が若手の育成に携わり、監督として率いてきた囲碁ナショナルチーム「GO・碁・ジャパン」の監督の座についても言及。後任として、同チームのコーチをしている山下敬吾九段から内諾を得ていると明らかにした。
囲碁界のこれからを担うため、子どもへの普及にもより積極的に取り組む。ナショナルチームの経験から中国、韓国に比べて人材不足を痛感させられた。「長期的な目で、才能のある子をたくさん発掘して競争できる環境を整えたい」と張り切る。
もっとも、日本棋院は昨年4月に2028年度からの採用棋士枠を減らす方針を発表した。個人的に反対の立場とした上で高尾理事長は、「時期を見て検討する」と語った。
多くの課題を抱え、逆風の中での船出となるが、「黒字を目指して頑張りたい」と決意を述べていた。