「皇室典範改正案は立法作業を見直すべきだ」野党の要求に高市首相の答弁は…

吉田忠智氏(17年10月撮影)

立憲民主党の吉田忠智参院議員は6日の参院決算委員会で、政府が6月30日に閣議決定した皇室典範改正案の内容について「『立法府の総意』で合意されていないものが盛り込まれており、もう1回見直して立法作業をやり直すべきだ」と高市早苗首相に求めた。

吉田氏は「立法府の総意」として政府に提出された内容について「13の会派、全党が出席して衆参の議長、副議長のもとで議論が重ねられたが、報告書が総理に出され内閣として法案作成をしていただいたが、大変問題があることが指摘されている。合意を見ていないもの、立法府の総意になっていないものが二つ含まれている」と言及。「旧11宮家の養子をを受け入れ、そのご養子の子どもさんやお孫さん、子孫が皇位継承の資格を持つ。そのことについては全党協議で合意を見ていない。また女性皇族が結婚後も皇室に残れるが結婚した配偶や子どもは一般人だと。(立場を)どうするかについても、合意を得ていなかった」とした上で、「合意を得ていないものが、法案として盛り込まれている。これは、もう1回見直して立法作業をやり直すべきだと思う」として首相の見解をただした。

高市首相は「皇室典範改正については、全国民の代表によって構成される国会で、立法府の総意が、議論の取りまとめということで行われた。これを受けて今回の法律案を立案しました。立案にあたっては、とりまとめに書かれた手続きにのっとり、まず法律案の骨子ができあがった段階で事前にご報告をした上で、6月25日の全体会議の場で各党各会派に対して、法律案の要綱をご説明し、衆参両院の正副議長から、とりまとめに沿ったものであるとのご判断をいただいた。政府としてはその要綱に基づいて、議論のとりまとめに沿った形で法案の作成を行った」と主張した。

その上で「衆参両院の正副議長による議論のとりまとめにおいては、女性皇族の配偶者、子、養子の子にかかる記載がないことから、皇族の範囲を定める皇室典範の規定は改正していない。女性皇族の配偶者、子については、皇族とすると皇室典範に規定しない限り、皇族にはならないため、現行の皇室典範の規定に基づき、皇族とはならないこととなります」と訴えた。

また「養子の子については、皇族の夫婦の間に生まれたものであることから、現行皇室典範の規定に基づき、皇族となることとなる。これは、現行法に基づく結果であり、これによって立法府における将来の検討を先取りしたり、これを縛ったりする趣旨ではないと承知をしています」とも述べた。

一方、吉田氏は、上皇さまの生前退位の際の皇室典範特例法に関する議論の際、当時の大島理森議長が当時の安倍晋三首相に報告した際を振り返り「政府が示した法案に、全党の結論にない部分があったことで、大島議長は修正を要請されたと。それを当時の安倍内閣は受け入れて修正し、立法府の総意の通りにしたという経緯がある」と指摘。「今の森(英介)議長がそういうことをしていただけなかったのは大変残念だ。どなたか影響力のある方がおられるのか分からないが、いずれにしても極めてデリケートな問題なので、そういうことも踏襲して対処されるべきではないか」と訴えた。

高市首相は「6月25日の全体会議の場で法律案の要綱をご説明し、衆参両院の正副議長から、とりまとめに沿ったものであるとご判断をいただいている」と反論したが、吉田氏は「その場でも異論が出たと聞いている」と、チクリ。「今の状況だと、せいひつ(静謐=静かな、おだやかな、の意味)な環境ではなかなか議論ができがたい状況。ぜひ、もう一度見直して、立法作業をやり直していただくよう強く強く求めたい」と、立法作業のやり直しを繰り返し求めた。