高市早苗首相は6日の参院決算委員会で、昨年の自民党総裁選などをめぐる自身の陣営の中傷動画疑惑報道について、6月22日の予算委員会で野党の質問に応じずに秘書の「陳述書」を提出する意向を示した背景について問われ、「陳述書」を提出して国会での質問に対応しないという趣旨ではないことだけは、ご理解をいただきたい。これまでの質疑も誠実に知りうる限りをお答えしてきたつもりだ」と釈明した。
立憲民主党の羽田次郎議員への答弁。「誠実に知りうる限りをお答えしてきた」の部分では、野党席からやじが飛んだ。
高市首相は、「私自身が把握し理解していることならストレートにお答えするが、時系列や内容が違う複数の週刊誌などの一部について通告をいただくたび、その都度、奈良の秘書の説明を電話で聞き取って説明することでは、全体像が明らかにならない。混乱を招くとの思いから、細かな事実内容は陳述書で整理させていただきたいとの希望をお伝えした」と主張。「限られた質疑時間の中で丁寧に詳細に答弁しては、『答弁が長い』とおしかりを受け、逆に端的に概要のみ答弁してしまえば誤解を招く恐れもあり、あらかじめ陳述書を提出し、質疑者の方にも国民のみなさまにも全体像を読んでいただくことで理解が深まると考えた」と主張した。だれかに相談したのかとの問いには「特にだれかに相談したわけではない。毎日毎日聞き取って、断片的な答弁では全体像が明らかにならないと思ったから」と繰り返した。
一方、首相の「陳述書」答弁が、野党が審議に応じない「不正常国会」の一因になったこともあってか、羽田氏は「何か総理の周辺で疑惑が持ちあがったりしたら、国会としてしっかり問いただすことは、致し方ない。総理にも国民のみなさまにもご理解をいただきたい」と述べるひと幕も。「総理自らが国会の信任を得られるよう、説明責任を果たすことは議院内閣制の根幹だ。それにもかかわらず、秘書さんの陳述書を提出することで説明を終えようとする対応について首をかしげてしまう」と苦言を呈し、「もしも、陳述書をだいぶ前にお示していただいてそれを元に質問させていただき、それに答えていただくならまだしも、直前になって陳述書を提出されても、なかなか対応は難しい」と、首相の対応にあらためて疑問を呈した。
羽田氏はその上で「そもそも国会は言論の場。やはり、総理と国民に選ばれた国会議員が対話をしながら、しっかり答弁をいただくことが必要ではないか」として、高市首相に国会で誠実な答弁をするよう、クギを刺した。