皇室典範改正案をめぐる審議が15日、参院特別委員会で行われた。
参院副議長経験者で、昨年まで皇室典範改正の与野党協議に携わっていた立憲民主党の長浜博行前参院副議長が質問に立ち、「立法府の総意」の一つに盛り込まれた旧11宮家の男系男子を養子として皇族に迎える案に関し、養子の受け入れ先となる「養親」をめぐり、自民党の麻生太郎副総裁に連なる流れについて、問う場面があった。
これまでの議論では、「養親」として、常陸宮家、三笠宮家、三笠宮寛仁親王妃家、高円宮家の4家7人が対象になると見込まれている。三笠宮寛仁親王妃の信子さまは、麻生氏の実妹でもある。
長浜氏は、「三笠宮寛仁親王妃家は、養親としての資格をお持ちになっているのか」と問い、木原稔官房長官は「寛仁親王妃の信子殿下は、皇室経済会議で独立生計認定がなされているものと承知している。養親の対象は、天皇ご夫妻、上皇ご夫妻、皇嗣ご夫妻以外の皇族であるということから、寛仁親王妃の信子殿下も養親の対象となると承知しております」と答弁。信子さまが養親の対象となるとの認識を示した。
これに対し、長浜氏は「みなさんご承知のことですが、三笠宮寛仁親王妃信子殿下は、麻生太郎代議士の実の妹さまでいらっしゃる」とした上で、「養子と養親とのご縁は、だれがどのようにつなぐのでしょうか。恣意(しい)的要素、政治的思惑などは、どのように排除できるのか」と問うた。
麻生氏との関連性を念頭に置いたような踏み込んだ質問でもあり、木原氏は「『恣意的要素』というのが、具体的に何を指しているのか定かではありませんが」とした上で、「養子縁組は養子、養親双方の自由な意思に基づいて行われるもので、恣意的要素というのには当たらないと想定している」と主張。「改正法案が成立した場合には、宮内庁によって、養子縁組の具体的な手続きを行うことになり、適切に検討されることになると承知しています」とだけ応じた。
これに対し、長浜氏は「多くの議員が経験したことだという風に思いますが、想定外も想定して質疑をしないとならないのが、法案審議のつらいところですからご理解をいただきたい」とした上で、「悠仁親王殿下がご結婚後に男子が誕生しない場合、仮に昨年創設された三笠宮寛仁親王妃家に養子がなされ、その後、ご結婚されてめでたく男子がご誕生となり、他家に養子がない場合は、現行皇室典範では、皇位継承順位はどのようになるんでしょうか」と、質問。木原氏は「衆参正副議長でのとりまとめでは、養子については皇位継承資格を持たないこととするとされている。一方で、養子のお子さまについての記述はありませんから、現行の皇室典範の規定が適用されることになる」とした上で、「養子の子は、生まれながらの皇族でありますから、男子の場合は、現行の皇室典範第一条と第二条が適用され、皇位継承資格を有します」と言明。「その上で、現時点における規定整備としては、養子の子の皇位継承順序については、皇室典範第38条第6項として、実方の系統による、と解釈規定を置かせていただいた。これによって、養子縁組による親族関係ではなく、いわゆる旧11宮家の皇族男子であった方々との血のつながりによる順位が、決定されることとなります」「たとえば複数の方がいらっしゃる場合など、順位に紛れがあってはいけませんので、そういうことを生じないようにするという趣旨での解釈規定であり、新しく規定をしたというものではありません」と説明を続けた。
ただ、長浜氏が質問した麻生氏に連なる三笠宮寛仁親王妃家には直接的に言及しない内容だったことから、長浜氏は「答えになっていないというふうに思います」と指摘。「具体的な例のモデルケースでどのように考えられるか、お答えがなかったのが残念に思います」とも述べた。