蓮舫氏の質問と高市首相の答弁かみ合わず 改正皇室典範「立法府の総意」盾に…混乱の種残す

皇族数の確保に向けた皇室典範改正案は17日の参院本会議で、与党や一部野党の賛成多数で可決、成立した。押しボタンによる投票中、「反対!」の声も響いたが賛成184、反対は57。本会議後の参院予算委員会では、天皇陛下と36親等から38親等離れた旧宮家の男系男子が皇族の養子になれることや、その子が男子なら皇位継承資格があるとする内容に野党議員から批判が出たが、高市早苗首相は「立法府の総意」を盾に、批判を突っぱねた。日本国民が親しみを感じている皇室をめぐり、今後に混乱の種を残した。

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1947年(昭和22)の皇室典範施行から約80年ぶりに、初の実質的改正となった今回の議論。<1>女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持<2>旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えるの2点が「立法府の総意」として示されたが、政府の改正案には、養子本人は皇位継承資格を持たないものの、養子の男子の子どもは資格を持つことが明記された。皇位継承資格をめぐる議論は「立法府の総意」に記されておらず、そこを踏み込んでも男系男子の継承にこだわる、政府の姿勢がはっきり示された。

参院本会議での法案成立後、与野党の求めにようやく応じる形で実現した高市首相出席の参院予算委では、立憲民主党の蓮舫議員が「養子案は賛否が拮抗(きっこう)している。今からでも撤回すべきではないか」と求め、「総理のお好きな『国論を二分する』ですが、天皇に関してだけは国論を二分してはだめじゃないんですか」と批判した。

ただ高市首相は、今回の改正案は、与野党の代表者の議論をへてまとめられた「立法府の総意」に沿って立案したものだと繰り返し主張。「国民の代表でいらっしゃる国会の場で衆参正副議長のもとでしっかり議論し、了としていただき、できるだけすみやかに法制化を、ということでしたのでそれに従って進めた」と、「立法府の総意」を盾にした。蓮舫氏は「13党会派のうち5党会派は反対、慎重だ。都合よく解釈しないでいただきたい」と、憤った。

旧宮家の男系男子が天皇陛下と36親等から38親等の隔たりがあるとして、「血筋をたどった親戚とは言えないのではないか」との指摘には、高市首相は「明治天皇の御代に、天皇と32親等の隔たりがある皇族たる男系男子が養子になられた例がある」と反論。各社世論調査で女性・女系天皇への支持が高いことや、国民は天皇家の長女愛子さまに親しみを持っているとして、「こういう国民の声には応えないのか」とも問われたが、首相は何度も「立法府の総意」を持ち出し、蓮舫氏の質問とはかみ合わない答弁が続いた。

衆参両院でわずか6時間強の審議で、当初の予定ではこの日だった国会会期末に、他の内閣提出法案とともにドタバタと本会議での採決になだれ込んだ皇室典範改正案。与野党が望んだはずの「せいひつ(静謐=静かな、穏やかなの意味)な環境」での議論は、貫かれなかった。