稲田朋美氏「高市総理が言っているからやるでは自民党らしくない」消費減税めぐる党内議論でくぎ

消費税をめぐる自民党会合後、報道陣の取材に応じる稲田朋美元防衛相(撮影・中山知子)

自民党は31日、党本部で税制調査会と社会保障制度調査会の合同会議を開き、高市早苗首相が30日に方針を示した、飲食料品に限った来年4月から2年間の1%への消費税減税に関して、党内議論をスタートさせた。

「高市総理の決意を支持する意見が圧倒的に多い」(猪口邦子・元少子化担当相)とする意見がある一方、この日の会合では反対論や慎重論も相次ぎ、賛否が拮抗(きっこう)する流れとなった。

党側は30日の臨時役員会で、消費税率引き下げに関して、首相の方針を全会一致で了承したが、党内では財政規律派の議員を中心に消費税減税への反対論も根強い。高市首相は30日の会見で、党内のさまざまな意見について「(2月の衆院選で)同じ公約を掲げて戦った仲間たちであり、ちゃんと党議決定をした公約ですので、必ずご理解をたまわれると考えている」と、牽制(けんせい)するように語っている。

この日の会議に出席した稲田朋美元防衛相は会合後、報道陣の取材に「超党派の国民会議でも(結論は)決まらなかった」とした上で、「総理が言っているから(了承)という意見が多いが、総理がそうおっしゃっていることを前提として、役員会で一致したのは、党内でしっかり議論しろということの一致だと、私は思っている。この場での議論が重要だ」とし、高市首相方針の「結論ありき」の流れに疑問をのぞかせた。

「何の目的でやっているかというと国民の負担を軽減するため。公約は、給付付き税額控除と財源と、その間のつなぎの消費税減税だった。給付付き税額控除も急務だし、財源も(2年で)10兆円分が見つからないという話だが、10兆円は北陸新幹線を毎年つくるようなもの。ここは、公約とはいっても、『つなぎ(の消費税減税)』だけを言うのではなく、三つをいっぺんに考え、何がいちばん国民の負担軽減になるかということをしっかり、平場も含めて議論をして、自民党らしい議論をすべきだと言いました」と語った。

会議中には、稲田氏が「これでは自民党らしくない」などと訴える声が、部屋の外に響き渡った。その発言の真意を問われると、「総裁が言っているからやるというのは、自民党らしくないと思うんです」と主張。「何が、いちばん国民の負担を軽減することになるのか。現状はどんどんインフレが進み、円安が進み、イラン情勢もある中で、高額所得者に裨益(ひえき)させる必要はない。困っている人に手厚くするには、一律の減税よりも給付の方がいいという考え方も、私は、あると思います」と述べ、現金給付の選択肢も含めた議論の必要性を口にした。

高市首相は、秋の臨時国会での法案提出に向け、8月上旬の閣議決定を目指しているが、それでは「見切り発車」的な側面があるのではと問われると、稲田氏は「これは、見切り発車をしていい問題ではないと思っている。しっかり、自民党らしく議論をしてほしいと言いました」と繰り返し、「結論ありき」の流れにクギを刺すように述べた。