木原稔官房長官は5日の記者会見で、高市早苗首相による令和8年熊本地震の被災地の視察の様子を映した動画を撮影し、首相官邸のXアカウントなどで公開したことについて、意図を説明した。
記者から「3日に高市首相が熊本県の被災地を視察した際の様子をまとめた動画についてうかがいます。首相官邸のXアカウントなどに動画が投稿されたところ、『首相のPR動画のようだ』との批判が多数寄せられています。動画への違和感を指摘する声や、動画に付くBGMは不要ではないか、という意見も出ていますが、政府としてどのように考えるのかうかがいます。また、そもそも今回の動画というのはどのような狙いで作成されたものなのか、おたずねします」と質問が出た。
木原氏は「首相官邸ホームページがございますが、令和8年熊本地震については、政府の取り組みを掲載した特設ページを立ち上げております。また被災地の皆様への支援情報であるとか、熱中症予防等の注意喚起などについてSNSにも投稿するなど、さまざまな媒体を活用しながら、随時情報発信というのを行っているところです」と前置き。「ご指摘の動画についてですが、個別の投稿、そのコメントについて逐一に私の方からコメントするということは控えておきますが、こうした情報発信、今私が冒頭説明した情報発信の一環としまして、8月3日に実際に高市総理が被災地を訪問し、被害の状況を視察した際の様子を、国民の皆様にわかりやすくお伝えする必要がある、という風に思います」とした。
木原氏はその上で「今回ご指摘のものはおそらく、高市総理の記者会見、最後に県庁で記者会見をされたと思いますが、その冒頭発言の音声というのを使い、その音声の背景として、実際に視察した様子の動画を用いたもの、その動画のことをご指摘だと思いますが、そういった総理の被災地視察の状況をコンパクトにまとめた動画というのはこれまでも行ってきているものだと、そのように承知をしております」と見解を述べた。
記者からは追加で「動画については長官もご覧になったかと思いますけれども、動画につくBGM、音楽というのは必要だったのか。ご覧になって違和感を持つことはなかったのか、政府として適切な発信と考えるのか、あらためてうかがいます」と、BGMについて再質問が出た。
木原氏は「被害の状況を視察した際の様子を、国民の皆様にわかりやすくお伝えするための手法のひとつだと考えております」と返答。「国民の皆様にわかりやすくお伝えする」というフレーズを再度繰り返した。
動画は首相官邸の公式アカウントなどで発信。高市首相が防災服姿でヘリに乗り込み、避難所でテーブル越しに向き合った被災者の声を聞いたり、上空からヘリの窓越しに手を合わせて黙祷する場面を映している。また首相が復興予算確保に言及し、激甚災害指定で「本激」の指定をする見込みであることも伝えている。
一方で、バックにピアノ旋律のBGMが入っていることや、避難者と握手する場面でスローモーションになるなど、映像効果が多用されていること、ヘリ内からの合掌をしたことなどめぐり、複数の識者などから「高市総理のプロモーションビデオ」などの声が上がるなど、議論の対象にもなっている。