秋篠宮妃紀子さまは11日、60歳の誕生日を迎えられ、還暦にあたっての感想を述べた文書の回答と、秋篠宮さまとともに映したご近影を、宮内庁を通じて公開した。
宮内庁公式サイトにも掲載。紀子さまは秋篠宮邸で、白に薄いベージュのストライプの入ったワンピースをお召しになり、カメラに向かってほほ笑むショットや、今年8月に公式訪問したパラグアイの伝統工芸のレース編み「ニャンドゥティ」を手にする写真、秋篠宮さまと、パラグアイの民芸品に関する本の写真を仲むつまじく見るツーショット写真などが収められた。
また還暦の感想ではまず、令和8年熊本地震や国内各地の豪雨被害、猛暑などの自然災害に言及。その上で「今日という日を迎えられましたことに感謝しながら、今というときを大切にし、これからも学びつつ、つながりを紡いでいくこと、また新たなことにも取り組むことができましたらと思っております」と胸中を告白した。次女佳子さまや長女悠仁さまの活動、結婚して皇籍を離脱した長女小室眞子さんへの思いも寄せた。
▼紀子さまの還暦ご感想(全文4)
<この1年で印象に残った出来事>
-日本人移住90周年にあたり訪問したパラグアイと日本の絆-
日本人移住90周年の機会に宮さまとご一緒にパラグアイを訪れました。私が訪れるのは初めてのことで、皆さまにあたたかく迎えていただきましたことを大変ありがたくうれしく思います。
現地では、日本とゆかりのある方々、日本人移住者や日系人の皆さまのさまざまなお話を伺いました。最初に日本人が移住したラ・コルメナを訪れ、90年の間に亡くなられた方々へ慰霊のお花を捧げた際には、この地に馴染んでいかれるまでのご苦労に思いを馳せ、互いに助け合いながら日系人社会を家族のように築いてこられたことに敬意を抱きました。日本人移住者と日系人がパラグアイで暮らす中でも、日本の文化を誇りに思い、日本との間に心の架け橋をかけ続けてくださったことも伝わってきました。
パラグアイ日本人移住90周年記念祝賀会では、アスンシオンの4つの学校の子どもたちが90周年の記念の曲「90年目の春」と唱歌「ふるさと」の合唱を披露してくださいました。パラグアイの子どもたちの中には合唱をするのが初めての人もいて、練習を繰り返しながら、声を合わせたと聞きました。当日はすばらしい歌声で、心が震えたことを思い出します。
また、移住地では、日本語学校の先生方が日本の文化や言葉を子どもたちに伝えようと努力をされていることを知り、胸が熱くなりました。日本語学校は、移住してからすぐに創られ、言葉と日本のことを学ぶ学校として活動を続けてきました。ラ・コルメナの学校に通う子どもたちからはお手紙をいただき、イグアスの学校で学ぶ子どもたちとは、宮さまはラパーチョ、私は桜を一緒に植樹しました。お会いした3人の校長先生が子どもたちに温かい眼差しを送りつつ、運動会やお祭りを催し、日本の心、感謝やおもてなしなどについても伝えていきたいとの熱い想いを語っていらしたことも、心動かされる出来事でした。
パラグアイの滞在中、伝統工芸であるニャンドゥティ、アオポイや陶芸、銀細工の制作の実演を見学し、伝統的な音楽のひとつであるグアラニアの演奏を鑑賞するなど、パラグアイの豊かな文化にふれ、活躍する職人や演奏家にお会いして貴重なお話を伺いました。訪問前にはじめた伝統のレース編み「ニャンドゥティ」をこれからも作り、パラグアイと日本で築かれてきた友情を一緒に紡いでいくことができればと思いました。
このほかにも、4月には国立看護大学校25周年記念式典に出席するため、創立時の式典でことばを述べて以来、久しぶりに大学校を訪ねました。その折に看護の歴史や教育について学び、看護師を志す方々とお話しする機会がありました。この25年間、専門的な知識と技術を学んだ数多くの卒業生が看護師、保健師として国内外の研究や実践の場で大きな役割を果たしていると聞いています。これからも看護師や保健師の活躍を期待しています。
また、4月に「がん患者さんが歌う 第九 チャリティーコンサート2026」を佳子と一緒に鑑賞し、7月には国指定難病である視神経脊髄炎の患者とそのご家族を支援するチャリティーコンサートを鑑賞し、それぞれ皆さまの歌声に感銘を受けました。このような催しを通して、疾病の当事者どうしのピアサポートのもつ力や、患者とその家族の日々の生活を支援すること、また疾病の治療の研究を進める医師や研究者を支援することの重要性が、多くの人々に伝わることを願っています。
最後になりますが、8月末にノルウェー前国王ハラルド5世陛下が崩御され、この度、ご葬儀に参列いたしました。今年の6月にホーコン皇太子殿下(当時)を宮邸にお迎えしたばかりでした。宮さまが英国にご滞在中にノルウェーを訪ねられた折、当時は皇太子でいらしたハラルド前国王陛下ご一家にあたたかく迎えていただいたお話を伺っており、とても残念に思っています。宮さまとともにお偲び申し上げております。
このように、さまざまな出来事があり、印象に残る1年でした。