県政の「継続」か「刷新」かが大きな争点となった沖縄県知事選は13日、投開票され、3選を目指していた現職の玉城デニー氏(66)は、新人で元那覇市副市長の古謝玄太氏(42)に敗れ、落選が確実となった。ほかの4候補も及ばない見通し。
玉城氏と古謝氏による事実上の一騎打ち。米軍普天間飛行場の名護市・辺野古移設が主要争点になった2014年の知事選で移設反対を掲げた翁長雄志氏が勝利し、翁長氏が亡くなった後にその遺志を継いだのが玉城氏だった。移設反対派を支援してきた「オール沖縄」の後押しを受け、移設反対派の知事が担ってきた県政が、移設工事を進める与党が推薦した候補に、12年ぶりに「奪還」される形となった。これまでの国と沖縄の関係が転換し、国の安全保障政策にも反映されるきっかけとなる可能性がある。
今回の選挙戦は移設問題だけでなく、県民の暮らしなど経済政策にも関心が注がれた。玉城氏は今回、政党色よりも「県民党」を前面に掲げた選挙戦を展開する一方で、小沢一郎氏ら衆院議員時代に行動をともにした顔ぶれから、水面下で活動の支援を受けた。高い知名度を背景に、観光など県経済の振興、子育て政策などを進めた2期8年の実績を打ち出し、県内を駆け回り支持を訴えた。
ただ、玉城氏をめぐっては今年3月に辺野古沖で起きた「平和学習」をめぐる船の事故で女子高校生ら2人が死亡した事故での対応に、批判や疑問の声を受けた経緯もあった。今回の選挙戦では、SNS上で偽情報や誹謗(ひぼう)中傷ともいえる内容の投稿が複数確認され、11日には陣営が「デマメール」に対する抗議声明を出すなど、不測の混乱の中での戦いを余儀なくされた。今回の知事選の結果を受け、辺野古移設反対を訴える県民らの主張の機会にも影響が出るのは避けられない。
当選が確実になった古謝氏には自民、日本維新の会の与党だけでなく、国民民主、参政、保守、公明県本部と野党も含めた与野党が推薦。陣営は組織力を駆使した戦いを展開し、選挙戦では、「だれかのせいにしない沖縄をつくる。自分たちの手で沖縄の未来を描く」として、「手取り」「子育て支援」「観光消費」をいずれも2倍にすると公約を掲げた。古謝氏は12日の演説で「沖縄の分断や対立を乗り越え、右でも左でもない沖縄を前に進めていく」などと訴え、自民、維新、国民民主の幹部がそろい踏みで支持を訴えた。
沖縄県知事選の必勝を掲げていた高市首相にとっては、自身が応援に入って敗れた3月の石川県知事選のリベンジを果たす、注目知事選の結果にもなった。