自民に新たな火種「参院のドン」交代で反発くすぶる 高市首相“介入”否定も…党新役員人事 

自民党の臨時総務会後、写真撮影に応じる左から西村康稔選対委員長、梶山弘志総務会長、高市早苗首相、麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、小林鷹之政調会長(撮影・中山知子)#2026年9月16日、自民党本部、自民党役員人事関連

高市早苗首相(自民党総裁)は16日、党役員人事を行い、新体制を発足させた。

麻生太郎副総裁、鈴木俊一幹事長、小林鷹之政調会長、西村康稔選対委員長、萩生田光一幹事長代行、鈴木貴子広報本部長ら主要メンバーの顔ぶれはほぼ変わらず、総務会長は有村治子氏から梶山弘志前国対委員長に交代した。高市首相は臨時総務会で人事のねらいを、「政権公約に掲げた重要な政策転換の実現、自民党、政府の総力を挙げた実行体制をすべく指名させていただいた」と強調。「党、政府が一丸となり、この難局を打開し国民のみなさまに経済成長による豊かさと安心を実感していただけるまで、未来を開いてまいりたい」と語った。

麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長からは「党が一丸となって」「党内が一致団結しながら」など、党内融和を訴えるあいさつが相次いだ。

ただ、「党一丸」に水を差すような、人間関係の「火種」も残った。特別国会で野党にも配慮を欠かさなかった国会運営をめぐり高市首相との深い溝が指摘され、本来は党総裁も手を突っ込めないとされる「聖域」の参院幹事長に、新「参院のドン」石井準一氏に代わって、元祖「参院のドン」としてにらみをきかせ続けた青木幹雄・元参院議員会長の長男、青木一彦参院議員が就任した。

青木氏は「松山(政司)議員会長のもと、しっかり高市政権を支え、頑張りたい」とあいさつした。石井氏の交代には、高市首相の意向がはたらいたのではないかとの見方がある。高市首相はこの日の取材で、「参議院の人事権、参議院の役員の人事権というものは私にはございません」として「人事介入」を否定。松山氏も同様の認識を示したが、参院自民側には「石井外し」人事への反発もくすぶっており、今後に緊張感を残した。

一方、鈴木幹事長は記者会見で、参議院で少数与党の中での他党との関係について「なかんずく、国民民主党との関係はとても大切だと認識している」と強調。国民民主党は、高市政権が進める現在の消費税減税に反対の立場を取っているが、鈴木氏は「これまでの積み重ねが、今回の消費減税の対応が違うことをもって今までの積み重ねが一切合切なくなってしまうとは考えていない」と断言。「これからも協力関係を築き、政策ごとの協力から、究極的には連立(政権)を組むというところまでいくと思う。いずれにしても協力関係を得るため、そのための前提となる信頼関係は今後も継続してつくっていきたい」と、国民民主党にあらためて秋波を送った。