スウェーデンの王立文化アカデミーは8日、今年のノーベル文学賞をカナダの詩人アン・カーソンさんに贈ると発表した。有力候補として名前の挙がっていた「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」などで知られる作家村上春樹氏(77)は受賞を逃した。村上氏は2006年にノーベル文学賞の指標の1つといわれるチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞。ノーベル賞候補に毎年名前を挙げられてきた。村上氏は今年7月、3年ぶりの長編となる「夏帆-The Tale of KAHO-」(新潮社)を発表していた。
◆村上春樹(むらかみ・はるき)1949年(昭24)1月12日、京都市生まれ。早大卒。79年にデビュー作「風の歌を聴け」で「群像新人賞」を受賞。87年「ノルウェイの森」が大ベストセラーに。地下鉄サリン事件の被害者たちに聞いたノンフィクション「アンダーグラウンド」(97年)もある。ほかの代表作に「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」「1Q84」など。海外の賞も多数受賞している。23年4月には6年ぶりの長編小説「街とその不確かな壁」を発表。村上作品は海外でも人気が高く、50カ国以上で翻訳出版されている。
◆ノーベル文学賞 ダイナマイトを発明したアルフレド・ノーベル(スウェーデン)の遺言に基づき1901年に設置されたノーベル賞の文学部門。スウェーデン・アカデミーが各国の大学教授や過去の受賞者らから推薦を受け、最終候補5人まで絞られる。候補者名は50年間非公開。歴代受賞者にはヘッセ、チャーチル、ヘミングウェー、スタインベック、カミュら世界的作家が名を連ねる。日本人では過去に川端康成(68年)、大江健三郎(94年)の両氏が受賞。2017年には英国人で長崎市出身のカズオ・イシグロ氏が受賞している。異色の例では2016年に米シンガー・ソングライターのボブ・ディランが選ばれている。