国民民主党の玉木雄一郎代表は8日、衆院本会議での代表質問後、報道陣の取材に応じ、今年2月の衆院選で首長が自身を支援しなかった地元選挙区(衆院栃木3区)の2自治体に対する簗和生農相の「予算カット」発言をめぐり、働きかけを受けた国交省側が「記録を残していない」としていることについて、「残っているはずです」と指摘した。
記録は残していないとしている国交省の対応について問われたのに対し、財務省官僚出身の玉木氏は、「私の経験からも、必ず(残っている)。役人は、メモを取るのが仕事ですから」と述べた。
6日に行われた国交省の調査結果に関する会見では、簗氏が予算カットに言及した那須烏山市、那珂川町の予算配分額に関し、国交省の黒田昌義官房長と佐々木紀国交副大臣(いずれも当時)に照会していたことが明らかにされた。時期は、2026年度の予算配分額が決まる前で衆院選直後の2月中旬ごろ。国交省側はその時のメモなどの記録は残っていないと主張し、黒田氏は「はっきりと覚えていないが、働きかけや圧力はなかったと思う」と説明したと明かしていた。
一方、玉木氏は、「(政治家とのやりとりを官僚が)個人でやっているわけではない」と指摘。「行政機関として、幹部職員になると、役所として呼ばれているので、必ずメモを取って共有する。逆にそれをやっていないと、内規違反になると思う」と証言した。
記録の保存期間に関する取り決めはあるとした上で、「まだ8カ月前のことなので、残っている」。また、「何か困ったら必ず、記録のあいまいさに持ち込む。プロレスでロープに手をかけるように、困ったら『記録にない』というところに逃げ込んだわけです」と、プロレスでの「防戦」に例えながら言及。「いろんな口利き事案がこの間、国会でも取り上げられるような大変な問題も過去にあったが、役所は身を守るためにも、政治家から何を言われたか、必ずメモを残している。それを出せば、一発で(真相が)分かると思います」と訴えた。
一方、国交省側の会見での発言をめぐり、「役所もうそはつけないので、問い合わせは『増減についてのお問い合わせがあった』と答えている。普通なら政治家からは増額の陳情で、減額の陳情はない。国交省の方は、正確に答えておられる」と理解を示した。
簗氏からの働きかけについて「問い合わせなのか、働きかけなのか、圧力と言うのか、プレッシャーと言うのか、何と呼ぶかは別として、接触があったことは事実だし、増減に関する問い合わせを受けているわけですから、ここは正直に語るべきだ」と、国交省側に求めた。現状で明らかにされている内容だけでは「(事実関係が)釈然としない」とし、「(簗氏との)やりとりは、必ず残っていますから。それを出していただくのが大事だと思う」とも主張。その上で、同様の事案が他の役所などでも起きていないか、全省庁調査の必要性をあらためて訴えた。