自民ベテランが簗和生農相を追及「高市内閣は大変なことになる」野党に先んじて 衆院予算委

田村憲久氏(2013年1月撮影)

自民党の田村憲久元厚労相は13日の衆院予算委員会で、地元(衆院栃木3区)の一部自治体に対する「大幅予算カット」発言を認めて撤回、謝罪した簗和生農相に対し、「私は信じられない。あり得ない」などと厳しく批判した。

予算カット発言以外にも、簗氏陣営が衆院選の選挙期間中に開いた集会で、支援者をシャトルバスで無料送迎したとして公職選挙法に抵触する疑惑がもたれていることにも言及。田村氏は、簗氏の釈明を受け「なかなか国民のみなさんの疑念は晴れないと思う。これから簗大臣が丁寧に説明を続け、仕事をする中で理解をしてもらわないと、高市内閣は大変なことになると私は思っている」と強い危機感を示した。

田村氏は、予算カット発言に関して「私はにわかに信じられなかった。国会議員は、地域で『こういう厳しい現状だから、この予算を早くつけてほしい』という要望を至るところで聞き、これは重要だと思えば、しっかり予算をつけるために努力するのは当然。よほど意味のない事業であれば予算をつけないということもあるかもしれないが、選挙に負けた地域だから、首長さんが応援してくれなかったからということで、予算を削減するなんていうことを政治家がするなんてことは、私は信じられない」と指摘。「どういう経緯なのか、本当にそういうことをやられたのか、確認はしたけれど予算は削減しなかったということなのか、ならばなぜそんなことをおっしゃられたのか」とただした。

簗氏は「道路予算について地元から問い合わせがあり、国土交通省に問い合わせた。その説明の結果を党支部の懇親会で報告をした。問い合わせにあたり、減額を求めたという事実は一切ございません」とあらためて否定し、自身があたかも影響を及ぼしたかのように発言したとして、答弁席で数秒間、頭を下げて謝罪した

その上で「地元の方、これは、(予算が大幅に削減された)那須烏山市、那珂川町の方からの問い合わせだったと思う。記録、記憶も持ち合わせていないので、明確には答えられないが、こうした事業がどういう形で進むのかという趣旨の問い合わせで、それに対して予算の配分状況を問い合わせたと認識している。(懇親会に出ていたのは)大田原市の関係者のみなさまなので、2市町とは直接に関係はない。大田原市の事業について円滑に進めてほしいという話を日頃いただいており、そういう話をするというつもりだったが、その2市町の関係の話を引き合いに出してしまったのは不適切だった」として、「あらためて撤回し、不適切だったと真摯(しんし)に受け止めておわびを申し上げたい」として再び頭を下げた。

一方、シャトルバス無料送迎疑惑について問われた簗氏は、「地域柄、公共交通機関がそこにはなく、お年を召された方も非常に多く、つえをついて歩行される方も多くいらっしゃる。寒い夜の中をご移動いただくことは大変負担になり、ご移動できないことも想定され、『人道上の観点』もあってシャトルバスを用意した」と、主張。「(シャトルバスは)『会場費』の一部として認識し、会場運営上、不可欠なものという認識で、利益供与や寄付を行ったということは一切なく、法令にのっとり適切に対応している」と持論を展開した。

こうした説明に対し、田村氏は「いろんな疑念があるから、こういう問題も報道に乗ってくる。いちばんはじめの(予算カット)問題が、いろんな問題に波及している」と苦言を呈した。それでも最後は、「それくらい重い案件と認識していただき、これからの立ち振る舞いに気をつけていただきながら職務を頑張っていただきたい」と語った。

田村氏はこの日、自民党質問者のトップバッターとして質問に立った。午後には野党も簗氏への質問を予定しており、それに先んじた格好だ。田村氏は質問冒頭、当選11回の自身が予算委のトップバッターに登場することを「少しばかり気恥ずかしい部分もある」としながら、「党のお役目をいただきましたので、しっかりと質問をさせていただく」と述べた。