高市首相「やっちゃいけないこと」簗農相発言に言及 野党は「任命責任だけでなく連帯責任」

高市早苗首相(2026年2月撮影)

高市早苗首相は13日の衆院予算委員会で、2月の衆院選で首長が自身を支持しなかった地元(衆院栃木3区)の2市町に対する、会合での「大幅予算カット」発言をめぐり撤回、謝罪に追い込まれた簗和生農相について、「何もやっていないのに、地元で自分を大きく見せようとした。その発言は大変軽はずみで、やっちゃいけないことだと思います」と厳しく指摘した。

高市首相は簗氏について、これまで続投させる方針を示しているが、今年2月の衆院選公示日に開いた会合で、支援者をシャトルバスに乗せて別の場所から送迎したとして公職選挙法に抵触しかねない新疑惑が浮上。「任命責任だけでなく連帯責任が問われる」と指摘を受けた高市首相は、今後の簗氏の進退に関し「今、私は全容が見えないので、今日の時点で、今後どうするかを聴かれてもお答えをしかねる」と述べるにとどめた。一方で「でも今日、新しい話が出てまいりりましたので、全容解明、本人からの説明を。せっかく予算委員会の場でも説明をするチャンスがあるわけですから、しっかりご質疑いただき答弁をするべき場面だと思います」と述べ、あらためて簗氏に説明責任を果たすようくぎを刺した。

民主改革の会の山岡達丸議員への答弁。

高市首相は、簗氏の「大幅予算カット」発言に関し、「実に不適切であり、その後の対応も不適切だった。もしそういうことを言っていたのなら、しっかり認めて撤回して謝罪すべきと、厳しく叱責(しっせき)した」と明かした。

その上で、新たに浮上したシャトルバスをめぐるさまざまな疑惑を念頭に「今日、シャトルバスの話が出た。事実関係、今朝からのやりとり、今のご質疑と答弁を聞いても、私には全容が見えません」と主張。「現時点で、あたかも公職選挙法違反と私に決めつける権限もございませんし、事実関係全体が見えないので、それについては私が何かを申し上げることは控える」と述べた。

その上で「しかしながら、彼が最初の、地元での軽はずみな発言を撤回して謝罪したことは、農林水産行政に、支持、不支持で不公平、不公正を持ち込むことは絶対しないという大臣なりの決意と思っている」と理解を示す場面も。「簗大臣が何かを問い合わせて予算が減ったわけでも増えたわけでもない。増やせという要求も減らせという要求もしていない。何もやっていなかったわけですよ。何もやっていなかったのに、地元で自分を大きく見せようとした。その発言は大変軽はずみで、やっちゃいけないことだと思います」と述べた。

山岡氏はこれに先立つ質問で、簗氏と自民党の田村憲久元厚労相の午前の質疑で、簗氏がシャトルバスの借り上げに関して事前に栃木県の選挙管理委員会に確認したのかと問われ「スタッフが選挙管理委員会に、バスを借り上げる前に確認し、会場費の一部として計上するものと回答を踏まえて計上したと報告を受けている」と述べたことに言及。この日昼に自身が栃木県の選管に確認した際、選管側から「(事前に簗氏側から)問い合わせがあったとの記録は残っていない。担当者にも確認したがその記憶もない」「やる前に聴かれたら、実例判例集に基づいて違反になると答えるはずです」と、簗氏の主張とは異なる回答があったと明かした。

さらに栃木県選管の話として「起こってしまった後にどう計上していいか聴かれたら、それは、会場費に含めるしかないでしょうねと答えることになるが、それは、違反ではないという意味で言っているものではありません」との反応があったとし、「これは『虚偽答弁』ではないですか」「仮に、事前に確認せずにやっていたら、これは公職選挙法に問われる話という重要な事実」と指摘。高市首相に対し、「任命責任は高市総理にあるのは避けられないが、現実的には任命した時には分からなかったこともあると思う。でも、今は違います。一連の問題が浮上し、(簗氏が)農林水産大臣になられるということになれば、3兆円もの予算の配分をする。その時に果たして本当に、生産者から食卓の方に至るまで、この予算配分が適正なものか信頼を得られるのか」と指摘。「自分の票が少なかったところには票を減らしましたと言うような方が、こうした予算を使っていいのか。公職選挙法違反の疑いで捜査の対象にもなれば、農林水産政策の推進に集中できる環境でもなくなる」とも主張した。

山岡氏は、少数与党の参議院で野党が簗氏への問責決議案提出を検討していることに触れながら、「それらのことが分かった上で続投をさせるのは、高市総理の任命責任だけでなく、簗大臣にまつわるこれからのさまざまな連帯責任も問われる状況にある。その覚悟で継続をさせていくのか」ともただした。