高市早苗首相は13日の衆院予算委員会で、自身の地元の2市町に対する「予算大幅カット」発言や、衆院選でのシャトルバスによる支援者送迎が公職選挙法に抵触する疑いが浮上している簗和生農相について、強い思いをもって選んだと強調し「私には、何かスキャンダルが出ました、だからバッサリ切り捨てていいという状況にはないんです」と述べた。
一方で「仮に違法性があるようなことがあれば、その時にはちゅうちょしません」と述べ、行為に違法性が確認されれば、迷わず更迭する考えを示した。
公明党の伊佐進一議員への答弁。
伊佐氏は、簗氏が12日に予定されていた、台風や大雨の被害を受けた千葉県内の被災地視察を急きょキャンセルしたことに言及。「被災地では非常に落胆の声が上がっていたということだった。ようやく声を届けられると思った方が、落胆したということだった。すでに農水行政に影響を与えていますね」と指摘した。
これに高市首相は「大変申し訳ないと思っています」と陳謝し、「視察の取りやめは、もしかしたら私の責任かもしれません」と述べ、簗氏が連休中に行われた自民党栃木県連セミナーや千葉の被災地に出向こうとしていたことを認めた上で、「私の方から、今回の一件はとにかく大変不適切な発言をし、その後の対応も非常に悪かったことを受け止め、事案の重要性をとらえて自分で整理し、もう少し包括的に私にも説明し、国会にもきちんと説明をしないといかんよと、私が簗大臣に言いました」と述べ、被災地の視察のドタキャンなどは自身の指示だったと明かし、それを受けて簗氏が日程をキャンセルしたとの見方を示した。
その上で「確かに、私に任命責任がある」と述べ、簗氏を任命した背景に言及。「この内閣をつくる時に、一人一人の政策構築能力を最重視した。笑われるかもしれないが、アンケートを出して、いちばん問題意識をもっている政策課題、本気でやりたい政策分野を聴き、それを全部読んで、今回は簗さんに農林水産行政を任せようと、そういう強い思いで選びました」と述べた。
その上で「政策能力はちゃんと発揮してほしい。でも仮に違法性があるようなことがあれば、その時には私はちゅうちょはいたしません」と強調。「今は全体像が見えず、本人も違法性は明確に否定している。だから、もう少し説明責任を果たさせてやってください。お願いします」と、最後は力ない口調で要請した。
一方、この日の委員会の質疑では、簗氏の陣営が今年2月の衆院選公示日に開いた会合で、支援者をシャトルバスに乗せて別の場所から送迎したとして公職選挙法に抵触する疑惑が出ていることをめぐり、簗氏の説明と、民主改革の会の山岡達丸議員が、栃木県選挙管理委員会に確認した内容に大きなずれがあることが表面化した。
簗氏はシャトルバスの借り上げについて、事前に地元の選管に確認したのかとの質問に「スタッフが選挙管理委員会に、バスを借り上げる前に確認し、会場費の一部として計上するものと回答を踏まえて計上したと報告を受けている」と述べたが、山岡氏が栃木県の選管にその後、確認した際、選管側は「(事前に簗氏側から)問い合わせがあったとの記録は残っていない。担当者にも確認したがその記憶もない」「やる前に聴かれたら、実例判例集に基づいて違反になると答えるはずです」「起こってしまった後にどう計上していいか聴かれたら、それは、会場費に含めるしかないでしょうねと答えることになるが、それは、違反ではないという意味で言っているものではありません」と答えたと質疑で明かし、簗氏の答弁を「虚偽答弁ではないですか」「仮に事前に確認せずにやっていたら、これは公職選挙法に問われる話という重要な事実」と指摘していた。
伊佐氏は、シャトルバスをめぐる簗氏と栃木選管のそれぞれの主張が「決定的に違う」と指摘。「どっちかが間違っている、うそをついているかもしれない状況。簗大臣はお忙しい中、スタッフに確認をしたということなので、ぜひ明日朝までに大臣としてしっかりと事実関係を確認し、全容解明へ、どちらが正しかったのか、うかがいますので、ぜひ確認をしてください」と、14日の質問で再び取り上げると指摘。簗氏は自席で小さくうなずいていた。