高市首相「お化粧をちょっと直したい時間も最初は取られず」就任1年を前に「男性総理よりは…」

高市早苗首相(2026年10月撮影)

高市早苗首相は14日の衆院予算委員会で、「国会改革」をめぐる質問で首相の国会出席のあり方に触れられた際、「私が男性の首相ではなく女性の首相であるということに、そこに座っている首相秘書官たちもなかなか慣れてくれていなくて」と、心境を漏らすひと幕があった。

日本維新の会の藤田文武共同代表が、民間シンクタンク「NXJIリサーチ」が提唱した国会改革に関する提言を引き合いに、首相の国会への出席について見解を問われる中で答えた。

藤田氏は、「NXJIリサーチ」に記された2022年の首相の国会出席に関して、「日本の総理が72日、イギリスが50、ドイツが13、制度は違いますがアメリカは1日」とした上で、答弁時間は日英で7倍の差があると指摘。「今まさに、総理は7時間の答弁にすべて出席されている。我が国では当然のことのようにされているが、諸外国を俯瞰(ふかん)してみれば、そういうことをやっているのは日本だけということを、国会議員は承知した上で向き合うべきだ」と主張した。

藤田氏は「国会審議の重要性は否定しないし重要なのは当然」とした上で、「総理がここまで国会に出席して長時間拘束される現状は、国際的に見ても普通ではない」と持論を展開。民主党政権で首相を務めた野田佳彦議員がリポートの中で、他国の首脳に比べて国会で拘束される時間が長いとして「日本の総理はあまりにもハンディーを負いすぎている。国会での熟議は必要ですが、日本の国会における仕事量が多すぎることは、やはり弊害だと思います。総理は過重負担になっており、どうすべきか考えるべきでしょう。国会全体の改革が必要」などと答えた部分を引用紹介した。

また「総理ががここまで国会に出席して長時間拘束される現状は、国際的に見ても普通ではないというのがグローバルスタンダード。国際情勢が緊迫化し、山積みの課題も複雑化している。国会運営における首相の出席の現在の慣習は到底、今の時代には合わないんじゃないかという本質的な問いに、私たちは向き合わないといけない」と述べ、高市首相に感想を問うた。

特別国会では、国会への出席が、歴代首相に比べると少ないと指摘を受けた高市首相だが、「国会運営については国会で決めていただくこと。内閣総理大臣としては、国会出席の慣習も含めコメントは差し控えるべきものと思っている」と述べるにとどめた。その上で「これまでも、国会から出席の要請があれば出席し、誠実に答弁してきた。今国会でもその方針に変わりはない。国会で首班指名を受けて私は内閣総理大臣をやっており、その方針に変わりはありません」と訴えた。

一方で、「率直に1年近く、内閣総理大臣を務めて感じたことは、わが国が向かうべき方向性や国家像について、腰をすえて戦略的に考える時間を取るのは、なかなか簡単ではない。私の場合、山のように書類を(自宅に)持って帰って、資料を読むのも楽しみながら、夜中に読ませていただいているので。それでいいんですけど、ただちょっと、本当にクリアな頭で腰をすえて、というような時間を取るのは難しいかな」とこの1年を振り返った。

さらに、「私が男性の総理ではなく女性の総理であるということに、そこに座っている首相秘書官たちも、なかなか慣れてくれてなくて」と切り出すと、閣僚席や議員席から笑いが漏れた。「最初は、テレビ入りの(審議の)時とか、ちょっとだけ5分とか3分、お化粧を直したいなという時間も取られていなかった」と主張。「家に帰れば帰るで、藤田さんがどうかは知らないんですが、お化粧していたらクレンジングで落としたり、また、朝は入浴をし朝食の支度をし、後片付けをし、またお化粧もして、となると、男性の総理大臣よりは3、4時間、余分に時間を使っているかもしらんな、という気がします」と訴えた。

話が国会改革から「脱線」したことに気づいたのか、高市首相は「私個人の問題というよりは、日本国の内閣総理大臣が、さまざまな仕事にどう取り組んでいくのかというための環境をどう整えていけばいいのかということは、与野党や国民のみなさまとともに考えていきたいと思います」とも述べた。

藤田氏は「高市首相のポジティブさで乗り切っていただいていると思う」とした上で、「非常に過酷な状況で仕事をするというところ。予算委員会でも、通告があっても何を聞かれるか分からない中で質問を受け続けるのは、非常に負担だと思う。総理の時間の使い方を考えるとき、答弁のための準備がどれくらい必要かということも想像しないといけない」などと指摘。「総理が本当に予算委員会で幅広に答える必要があるのか、どのように総理の国会出席を限定したり、集中する。首相にしかできない仕事に、より時間をさいてもらうことで全体のパフォーマンスを上げることが、おそらく具体的な国会改革のいちばんの肝なのではないか」と訴えた。