【王座戦】「ミスター・フルセット」伊藤匠王座、“得意の”第5戦で初黒星 初防衛ならず

「ミスター・フルセット」伊藤匠王座(2026年10月撮影)

伊藤匠王座(叡王=23)に広瀬章人九段(39)が挑戦している、将棋の第74期王座戦5番勝負第5局が27日、甲府市「常磐ホテル」で行われた。対局は、王座戦初登場の先手広瀬が終盤抜け出し、121手で着実に寄せ切った。対戦成績3勝2敗で王座を奪取した。広瀬のタイトル獲得は2018年の竜王以来、8年ぶりとなる。

伊藤の初防衛はならなかった。「ミスター・フルセット」の本領を発揮できなかった。ジリジリと広瀬に押される。最後は攻防ともに見込みなしとみて、投了した。

1日制5番勝負のタイトル戦はここまで4戦すべてフルセットまでもつれ込み、最後に勝っている。24年叡王戦では、将棋界の8大タイトルをすべて保持していた同学年の藤井聡太現6冠から初めてタイトルを奪った。以来25、26年と連続して挑戦してきた斎藤慎太郎八段をフルセット末に下して防衛してきた。昨年の王座戦も藤井王座をフルセットの末に下し、6冠への後退させた。最終第5局で見せた粘り強さは今回、鳴りをひそめたままだった。

「シリーズとして、あまり内容の良くない将棋も多かった。結果もやむを得ない。もう少し力をつけていかないといけないのかもしれません」と言葉少なだった。