稲城シニア(西東京支部・多摩南ブロック)森川博紀監督はこの自粛期間を「選手たちが自分で考え、どうやったら個々の能力を上げられるかを模索する時間」と捉えた。細かな指示は出さず、各自の成長を期待する。昨年の秋季大会は初戦で大敗し、冬の間は投手を中心に守備面での立て直しを図った。「チャンスで1本が出るようトンボを振らせるなど腕力の増強にも取り組み、いい感じで仕上がっていた」(同監督)。しかし、春季大会の初戦は秋と同じ相手。今度は0-1だったがリベンジならず。悔しい思いのまま自粛になってしまった。

「それだけに、3年生43人の夏への思いは強い。主将の重政心道は元気の塊のような選手。彼を中心にいいムードづくりをしてくれています」(同)。

注目選手はここぞというときに勝負強さを発揮する4番の佐藤涼太。ローボールヒッターで、特大アーチも期待できる。守っては、右のエースが山口侑真。直球でグイグイと押し、変化球でカウントを取るタイプ。ここに左エースの西川優大、徳重優、三澤央佳と続く。ちなみに三澤は巨人1軍投手コーチ三澤興一氏の息子。土地柄、巨人関係者が多いのもチームの特徴だ。