<皐月賞>◇2012年4月15日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭
4番人気ゴールドシップ(牡、須貝)が、内田博幸騎手(41)のファインプレーでクラシック3冠初戦を完勝した。3角過ぎから思い切ったイン突きを敢行し、最後方から一気に浮上。大外を回って追い込んだワールドエースに2馬身半差をつけた。鞍上は頸椎(けいつい)骨折から復帰後初のG1制覇。次戦ダービー(G1、芝2400メートル、5月27日=東京)で2冠を狙う。
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名手内田の大胆な騎乗がゴールドシップに1冠目をもたらした。3~4コーナーで各馬が悪い内を避けて外に進路を取る中、ぽっかりと空いた内に導いた。向正面では最後方18番手にいたが、絶妙の進路選択で距離を稼ぎ、一気に先頭集団に浮上した。あとは一直線にゴールを目指すだけ。残り200メートルで先頭に立つと、2着に2馬身半差をつけて決勝線を駆け抜けた。「力があるからできる」と内田。相棒の力を信じた結果が、驚異の17頭抜きにつながった。
ゲートはすんなり出たが道中意識的にポジションを下げて極力ロスを避けた。鞍上は「どんなに外がいい馬場とはいえ、馬場の悪い真ん中とか中途半端に外々を回らされるのは嫌だった」と振り返る。ゼロス、メイショウカドマツの2頭が引き離し前半1000メートル通過は59秒1。ハイペースを見越し「前はいくらなんでも止まるだろう」と瞬時に判断。すぐ前にいるワールドエースをマークする形でレースを進め、かろうじて馬場状態がいいぎりぎりのところを通って力を温存した。3角手前から徐々に内側にかじを取り、ためた脚を爆発させた。外に出す意識が強いライバルたちの心理を読み、その裏をかいた会心のプレーで酔わせた。
引き揚げてきた内田はファンの声援に両手を天に突き上げて応えた。G1制覇は1月の復帰以降初めてで、10年ダービー以来2年ぶり6勝目。「ウチパクおめでとー」と場内の祝福ムードに自然と笑みがこぼれる。しかし、意識はもう2冠目にあるようだ。「コース取りもうまくいって結果が出たけど、この馬は東京も合うからね」と話し、ダービーでの好走を約束した。【松田直樹】
◆ゴールドシップ ▽父 ステイゴールド▽母 ポイントフラッグ(メジロマックイーン)▽牡3▽馬主 小林英一▽調教師 須貝尚介(栗東)▽生産者 出口牧場(北海道日高町)▽戦績 6戦4勝▽総収得賞金 2億1723万5000円▽主な勝ち鞍 12年共同通信杯(G3)▽馬名の由来 英語で「黄金の船」。父ステイゴールドから連想。
(2012年4月16日付 日刊スポーツ紙面より)※表記は当時