アナザーリリック津村騎手、新馬からコンビの愛馬で3年ぶり重賞制覇/福島牝馬S

ゴール前差し切ったアナザーリリックが福島牝馬Sを制した(撮影・酒井清司)

<福島牝馬S>◇23日=福島◇G3◇芝1800メートル◇4歳上牝◇出走16頭◇1着馬にヴィクトリアマイル優先出走権

3番人気アナザーリリック(牝4、林)が差し切り、JRA重賞初制覇を果たした。勝ち時計は1分47秒0。

デビューから手綱を握る津村明秀騎手(36=フリー)は19年愛知杯(ワンブレスアウェイ)以来、3年ぶりの重賞制覇。地震の影響で1週スライド、無観客開催となった春の福島で、女王への才能が芽生えた。

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晩春に似合わぬ福島の寒風を、気心知れた人馬が切り裂いた。アナザーリリックはスタートで後手に回った。津村騎手は「腹をくくりました。福島は先週から外が伸びているので、長所の長くいい脚を使うことに専念しました」と道中を後方2番手でやり過ごす。3角からまくり、短い直線でもぐんぐん脚を伸ばす。ゴール寸前で首を前に出し、念願の重賞タイトルをもぎ取った。

戴冠への種は2年前からまいていた。20年8月、アナザーリリックと津村騎手は暑さも厳しい新潟の新馬戦勝ちからコンビを組む。翌年のアネモネSを勝利。だがNHKマイル、秋華賞ではともに7着、愛知杯8着と壁にぶち当たった。それでも人馬は地道に根を張り、絆を深めた。自身も3年ぶりに重賞を制した津村騎手は「悔しい思いもしました。何よりこの馬とタイトルを取れたのがうれしいです」と感慨に浸った。

次走は未定も、優先出走権を得たヴィクトリアM(G1、芝1600メートル、5月15日=東京)も選択肢に入ってくる。今開催は3月の地震の影響で無観客。津村騎手は「お客さんがいる前で競馬がしたいです」と願う。春のみちのくをステップに、いつか大観衆の前で大輪の花を咲かせてみせる。【桑原幹久】

アナザーリリック ▽父 リオンディーズ▽母 アンソロジー(サクラバクシンオー)▽牝4▽馬主 (有)シルクレーシング▽調教師 林徹(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 8戦4勝▽総収得賞金 9055万9000円▽馬名の由来 もう一つの叙情詩。母名、母系より連想