牡馬クラシック2冠目。世代の頂点を決めるダービー(G1、芝2400メートル、29日=東京)の最終追い切りが25日、東西トレセンで行われた。
皐月賞5着から逆転を狙うアスクビクターモア(牡、田村)は美浦ウッドチップコースを単走で追い切られ、時計は6ハロン82秒8-11秒3を計時。同馬を管理する田村康仁調教師(59)が共同会見に出席した。
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一問一答は以下の通り。
-皐月賞を振り返って
田村 状態も良かったし、いけるんじゃないかなっていう仕上げ。逃げてもいいという話もしていたし、何が何でも番手というのではなかった。相手は強かった。負けてしまいましたが、うちの馬も時計は詰めているし、馬場も得意ではなかった。そういうのを鑑みると5着は仕方ないという感じですね。
-中間の調整は
田村 山元トレセンで英気を養ってもらって、リフレッシュして帰ってきて最後に調整という今年に入ってからいつも通りのルーティンでやってます。
-馬の状態は
田村 昨年まではすごくやんちゃで、気楽にという感じの調教しながら言うことを聞いてもらっていたイメージ。だんだんコントロールが良くなってきて、今朝あたりは皐月賞の時よりも本当に穏やかに、強い調教をされるのを分かっているのに、きちんと冷静に歩けているし、上の指示も待っている状態だった。毎週強い調教をしたあとに、興奮状態でゲート練習をさせますが、それも穏やかにきちんとなっている。今やれることは全部やったかなという気がしている。
-肉体面の成長は
田村 体がすごく大きくなったという訳ではないが、今朝の調教では前走、前々走の時よりもストライドが大きくなった。元々前脚が前に出る大きな跳びをするいい馬でしたが、さらに何センチか楽に出てきている。精神的にも、肉体的にも何も苦しいところがない。調教だけ見ていると100点をあげていいのかなという気はします。
-追い切りのポイントは
田村 こちらが思っているローテーションで競馬を使わせていただいてる。息を整えてあげればいいという判断で厩舎に帰ってきてからはやっている。時計は出そうと思えば出ますが。やりすぎないように。それでいて精神状態が満足するような形で負荷を掛けてあげてという、微妙なところでやれていたと思う。
-思い描いた通りの調整
田村 はい。今年に入ってから満足のいく仕上げ。弥生賞も皐月賞も。私が理想とする調教をスタッフもしてくれたので、非常に満足しています。
-舞台に関して
田村 昨年はうまくいかなくて引っ掛かってしまいましたが、左回りも稽古でちゃんと回って来られる馬。左手前も右手前もきちんとできる。感情のカントロールも利いているので、昨年のビクターモアとは違う姿を見せられると思いますし、この精神状態なら2400メートルは走り切れると思います。心配していません。
-その他のレースのポイントは
田村 厩舎サイドとしてやれることはやった。残り数日けがをしないように、いい状態で当日を迎えたい。金曜に天気が悪くなるとか、週末暑くなるといった予報がね。30度を超えると体調に変化が出ることもあり得るので、体調の管理をしてあげたい。あとは枠順と当日の本番までのレースを見て作戦を考えたい。
-ダービーへの思いは
田村 何千頭という中から出していただいて、こうやって会見までさせていただいて陣営としては光栄だと思っています。他陣営18頭全てが、このレースに全てを懸けてきて、グラム単位で絞ったりして、もすごい緊張感の中で仕事をさせてもらえる幸せを実感している。ダービーならではの緊張感。僕は久しぶりなんでね。それがよみがえってきて、幸せなひとときをビクターモアがプレゼントしてくれた。楽しくて仕方がないですね。
-そして最高の結果がついてくれば
田村 そうですね。まずは無事に走ってほしいと思うし、ジョッキーに楽しかったって言ってほしいし、馬にも一生懸命頑張ったねって言ってあげたい。そういうのがあって結果が来たらね。僕の人生でこれ以上のことはない。これからもあるか分からない。本当に楽しいですね。