【安田記念】ソングライン、シュネルマイスター 春マイル王決定戦はリベンジに燃える2頭注目

シュネルマイスター(右)は左2頭を追う形で追い切った(撮影・酒井清司)

<追い斬り激論:安田記念>

“リベンジ対決”だ! 東京5週連続G1を締めくくる安田記念(G1、芝1600メートル、5日=東京)の最終追い切りが1日、東西トレセンで行われた。「追い斬り激論」では桑原幹久記者がソングライン(牝4、林)、松田直樹記者がシュネルマイスター(牡4、手塚)に注目。前者はヴィクトリアM5着、後者はドバイターフ8着と前走敗戦の悔しさを晴らす一戦に臨む。

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桑原 ヒヒーン。ダービーも終わって、美浦トレセンにはデビューを控えた2歳馬が増えましたね。

松田 ここ数日の暑さでどうかしたのかと。

桑原 僕はいたって真面目です。さっそくですが、安田記念はソングラインがイチオシです。

松田 切り替えがすごい。これまでは少なくとも1カ月ほどは間隔を空けてきた馬だけど、今回は前走から中2週だね。

桑原 全く問題ありません。前走後は在厩調整で、レースから12日後の5月27日にウッドで5ハロン68秒1-11秒1(馬なり)の猛時計を出しています。

松田 肝心の最終追い切りはどう?

桑原 栗東から駆けつけた池添騎手を背に、ウッドで6ハロン83秒5-11秒5。切れ味抜群で馬なりのまま外のムーディナイル(3歳未勝利)に3馬身先着しました。鞍上も「軽めでは全然ない。手は動かしていないけど、口で合図しただけで反応も早かったし(前走より)今回の方が反応がよかった」とうなずいていました。

松田 前走も状態はよく見えたけど5着。少し物足りない部分もあるけれど。

桑原 3角で一瞬バランスを崩す不利も響きました。池添騎手も「自分のちょっとした油断。本当に申し訳なさが大きい。牡馬とも遜色ない力を見せているし何とか林先生、厩舎の方に恩を返したい」と目の色が違いました。

松田 リベンジと言えば、俺はシュネルマイスターに目がいったよ。

桑原 4歳初戦の前走ドバイターフは8着。キャリアで初めて3着内を外しましたね。

松田 初の海外遠征にナイター競馬と難しい調整を強いられた。慢性的に弱さのある左後ろ脚の状態も思うように上がらなかったみたい。ただ、手塚師は「あまり走りきっていないので疲れはなかった」と順調ぶりを強調していたよ。

桑原 1週前追い切りに騎乗したルメール騎手が「少しマッチョ」と言っていたようですが。

松田 筋肉質な体つきに成長してマイラー色が強くなった、ということだね。最終追い切りは嶋田騎手を背に中リンクスルーファス(3歳1勝クラス)、外ドゥラモンド(古馬3勝クラス)を追う形で、直線はスムーズに内から加速した。馬なりで2頭に半馬身先着して6ハロン83秒2-11秒3。動きに不安は見えなかったし、師も「この1週間でダイエットに成功していると思う」と信頼を置いていたな。

桑原 3歳時はNHKマイルC制覇から安田記念3着ですから、ここは負けられないですね。

松田 師も「去年の上位2頭がいない。今年はマイルのトップになってほしい。何とか彼の名誉を回復してあげたい」と力が入っていたな。

桑原 僕も扇風機の前でアイス片手に、全力で予想に励みます!

松田 外しても、暑さは言い訳にならないぞ…。

◆海外遠征帰国初戦馬の安田記念成績 のべ14頭が該当し【2 2 1 9】。07年ダイワメジャーがドバイデューティフリー3着から、14年ジャスタウェイが同レース優勝から安田記念を制した。海外の前走で掲示板を外していた馬の巻き返しは、06年にアサクサデンエンがドバイデューティフリー15着→安田記念2着(10番人気)の例がある。